今やSIMフリーのスマホは選び放題。種類が豊富なうえ、価格、スペック、機能ともに多彩になってきた。しかし、その中でもスペックと価格のバランスを考えると、3万円台が本命ではないかと見ている。今回選んだ3台の実力は?
カメラ重視か、長持ち重視か
HTC Desire、ZenFone、arrowsのSIMフリー機
今回用意したスマホは、ほぼ税込3万円台で買えるSIMロックフリーの3機種。HTC「HTC Desire 626」、ASUS「ZenFone Selfie」、そして富士通「arrows M02」だ。まずは3機種を簡単に紹介していく。
●HTC「HTC Desire 626」
他のSIMフリースマホにはない、ポップなデザインで楽しげな印象。上位モデルのHTC Desire EYEと違い、機能はミドルクラスだが、それでもアウトカメラは13メガ。HTC独自のUIで使いやすさをウリにしている。
●ASUS「ZenFone Selfie」
人気のZenFoneシリーズのバリエーションモデル。こちらも明るい印象だが、高級感のあるZenFoneシリーズらしい洗練されたデザイン。その名のとおり、自撮りをはじめワイド撮影、画質といったカメラの性能を強く推している。ギリギリ3万円台でCPUがオクタコアとスペックもなかなか。
●富士通「arrows M02」
防水・防塵に加え、MIL規格準拠のテストもクリアしているというタフさが売りのスマホ。バッテリーは3日持ち、ディスプレイに有機EL、日本語入力にSuper ATOK ULTIASを採用。ドコモ&auのネットワークに対応し、VoLTE、おサイフケータイまで使える。
海外メーカーの2機種、HTC Desire EYE、ZenFone Selfieはカメラが一押し。arrows M02は国内メーカーのブランドに加えて、防水・防塵対応。さらに頑丈・スタミナにも自慢といったところか。
HTC Desire 626 | ZenFone Selfie ZD551KL | arrows M02 | |
---|---|---|---|
メーカー | HTC | ASUS | 富士通 |
本体サイズ |
約70.9×146.9 ×8.19mm |
約77.2×156.5 ×3.9~10.8mm |
約68.9×141 ×8.9mm |
重量 | 約140g | 約170g | 約149g |
画面サイズ | 5型 | 5.5型 | 5型 |
画面解像度 | 720×1280ドット | 1080×1920ドット | 720×1280ドット |
OS | Android 5.1 | Android 5.0.2 | Android 5.1.1 |
CPU |
クアッドコア 1.2GHz |
オクタコア 1.5GHz+1GHz |
クアッドコア 1.2GHz |
ROM/RAM | 16GB/2GB | 16GB/2GB | 16GB/2GB |
メモリーカード | microSDXC | microSDXC | microSDHC |
LTE対応 周波数帯 |
バンド1/3/5/7 /8/19/28 |
バンド1/2/3/5 /6/8/9/18/19/28 |
バンド1/3/8/ 19/26 |
キャリアアグリゲーション | × | × | × |
VoLTE | × | × | ○ |
連続通話時間 | 541分 | 1386分 | 700分(VoLTE)/630分(3G) |
無線LAN |
IEEE802.11n (2.4GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4GHz対応) |
テザリング | ○ | ○ | ○ |
カメラ画素数 | 1300万画素 | 1300万画素 | 810万画素 |
インカメラ | 500万画素 | 1300万画素 | 240万画素 |
防水/防塵 | ×/× | ×/× |
IPX5/IPX8/ IP6X |
ワンセグ連続視聴 | × | × | × |
フルセグ連続視聴 | × | × | × |
FeliCa | × | × | ○ |
赤外線通信 | × | × | × |
NFC | ○ | × | ○ |
Bluetooth | 4.1 | 4.0 | 4.1 |
MHL(HDMI) | × | × | × |
Miracast | ○ | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | microSIM×2 | nanoSIM |
バッテリー容量 | 2000mAh | 3000mAh | 2330mAh |
Qi | × | × | × |
カラバリ | マカロンピンク、マリーンブルー | ホワイト、ピンク、アクアブルー | Black、White |
最もコンパクトなのがarrows M02。幅が70mm切りとなかなかスリムだ。ただし、防水・防塵対応だけに、重量はHTC Desire 626の方が軽い。ZenFone Selfieは5.5型ディスプレーの大型機だ。画面解像度を見ると、フルHDのZenFone Selfieに対し、HTC Desire EYEとarrows M02はHD止まり。
CPUではオクタコアのSnapdragon 615を搭載するZenFone Selfieがやはり強力。
4G(LTE)の対応周波数帯を見ると多彩。HTC Desire 626、ZenFone Selfieは海外の対応周波数帯も豊富。特にZenFone SelfieはデュアルSIMスロットで海外出張時に便利そうだ。また、arrows M02はmineoがau MVNOのSIMでの対応を公表している(ただし、VoLTE対応SIM)。
バッテリー容量ではZenFone Selfieが3000mAhと大きくなっており、当然というべきか連続通話時間も長い。また無線LANでも5GHz帯+IEEE 802.11acに対応している。カメラではHTC Desire 626、ZenFone Selfieが画素数では13メガ。特にZenFone Selfieはインカメラも13メガだ。
日本向け機能ではワンセグ、フルセグ、赤外線通信への対応は3機種とも全滅。ただし、arrows M02はSIMフリー端末としては貴重なおサイフケータイに対応。サービスではWAON、Edy、QUICPayなどがすでに利用可能で、ここにモバイルSuicaがぜひ加わってほしいが……どうなるだろうか。
3機種とも結構な違いがあるものの、やはりスペックではZenFone Selfieが一歩抜きんでている。同じミドルクラスでもスペックには差がある印象だ。
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