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独自の最適化技術でバックアップデータを85%削減、自動化で管理いらず「HPE Connected Backup」

これなら導入できる!業務を邪魔しないHPEのPCバックアップ

2015年11月16日 13時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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「PCのバックアップ」が企業でもっと普及すべき理由

 「日本企業でも、もっと業務PCのバックアップが普及しなければならないと考えています」と、日本ヒューレット・パッカード(HPE)シニアテクニカルコンサルタントの小泉氏は語る。

日本ヒューレット・パッカード株式会社 ソフトウェア事業統括 インフォメーション・マネジメント事業本部 プリセールス部 シニアテクニカルコンサルタントの小泉隆洋氏

 従業員が業務に使うクライアントPCのローカルドライブには、取引関連の各種ドキュメントや報告書類、顧客とやり取りしたメールなど、数多くの重要な業務データが保存されている。そこには「このPC上にしか存在しないファイル」も多いはずだ。

 ドライブの故障、PC本体の紛失や盗難、あるいはユーザーの操作ミス(削除や上書き)などでそのデータが失われると、従業員本人にも企業にも大きな損失となる。特に、現在では大容量ドライブを搭載したノートPCをモバイル利用するユーザーも多く、データ損失のリスク(=事故が発生する可能性×発生時の損害)はますます大きくなっている。

 だが小泉氏は、「クライアントPCのバックアップ手段を従業員に提供している企業は、まだまだ少ないのが現実です」と語る。さらに、たとえバックアップ手段を提供しても、すべてのユーザーが自発的にバックアップを実行してくれるとはかぎらない。ルールを決めても守らないユーザーは出てきてしまう。

ユーザー任せではPCバックアップはうまくいかない……

 このように、PCのバックアップに全社的なガバナンスが効いてない状況は、業務継続性(BCP)やコンプライアンスといった側面からも見て問題がある。PCが故障したときにすぐ代替機で業務を復旧できない、外出先で社員がPCを紛失したときにどんなデータが保存されていたのかがわからない、といったトラブルが予想されるからだ。

 「従業員側のデータ保護意識に頼るのではなく、企業側が定めたバックアップポリシーに基づいて均一に適用され、一元的に管理できるバックアップソリューションを導入すべきです」と、小泉氏は強調する。

世界標準のPCバックアップソリューション「HPE Connected Backup」

 とはいえ、バックアップが義務づけられるのは面倒だというユーザーの気持ちもわからなくはない。急ぎの作業をしているときにバックアップジョブが起動し、PCの処理が重くなってしまうと、誰でもイライラするだろう。

 管理者側にも悩みがある。保護すべき業務データは、文書ファイルだけでなく画像/動画データ、3D CADデータなど大容量化する傾向にある。大容量のバックアップ用ストレージが必要になるだけでなく、バックアップ処理中のネットワークトラフィックも圧迫することになる。

 従業員や管理者にこうしたストレスを感じさせず、コストも抑えながら確実なクライアントPCのバックアップを実現するにはどうすればいいのか。その答えが「HPE Connected Backup」だ。

 HPE Connected Backupは、クライアントPCのバックアップ専用にデザインされた、企業向けのバックアップソフトウェアである。多数のPCにインストールされたエージェントを通じて、管理サーバーから一括管理する構成となっている。

Connected Backupの概要。ポリシーで一括管理されている各クライアント(Windows、OS X対応)上のエージェントから、サーバーにバックアップデータが転送される

 Connected Backupは、グローバルで数千社以上に採用され、500万クライアントのデータを保護している。100台から数千台規模の企業が中心だが、数万台、数十万台規模の大規模顧客もいるという。HPEによれば、米国エンタープライズ市場では「デファクトスタンダード」としての地位を占めており、実際にFortune 1000企業の95%を顧客に持つ。

 実はHPE自身も、Connected Backupの大口ユーザーの1社だ。グローバルでおよそ30万台に及ぶクライアントのバックアップを、Connected Backupを使って実施している。

 では、なぜConnected Backupが多くの企業に選ばれるのだろうか。主な特徴を見ていこう。

特徴1:「業務を止めないバックアップ」を実現する軽快さ

 PCバックアップについて、ユーザーが最も不満に思うのが「バックアップ処理が業務の邪魔になる」ことだろう。Connected Backupでは、バックグラウンドで実行する処理をできるだけ“軽く”することで、ユーザーの作業を妨げないようにしている。

 小泉氏は、「Connected Backupの“軽さ”の秘密は、バックアップデータをサーバーに転送する前に、できるだけ絞り込むことにあります」と語る。この最適化処理によって、転送1回あたりのデータ容量は平均で85%も削減されるという。PCへの処理負荷が軽くなるだけでなく、転送トラフィックも少なくなる。

Connected Backupでは、3種類の重複排除技術を適用することで、バックアップデータを最適化(容量削減)する

 Connected Backupでは、バックアップ対象をドライブ/フォルダ/拡張子単位で指定できる。クライアントPCのバックアップを前提としているため、標準設定ではユーザードキュメントのみが指定されている(OSやアプリケーションはバックアップしない)。

 このバックアップ対象データには、サーバーへの転送の前に3種類の重複排除技術と圧縮が適用される。

 最初の「SendOnce」は、複数のPC上に共通のファイルが存在する場合に、1台目からのみデータを転送し、2台目以降では転送を省略するという重複排除技術だ。たとえば会議資料やプレゼンテーション、製品カタログなど、同じファイルを社内の複数ユーザーが保管しているケースでは、SendOnceが大きな効果を発揮する。

会議資料や製品カタログなど、社内のPCには同じファイルが重複して保管されているケースが多い。「SendOnce」技術はその重複を省く

 また、過去にバックアップされているファイルは、そのファイルで変更のあった部分(変更ブロック、差分)だけを抽出、転送する「Delta Block」も適用される。ファイル単位ではなくブロック単位で差分を抽出するため、ファイルそのものの容量が大きくても最小限のデータ転送で済む。

バックアップ済みのファイルについては、変更のあったブロックだけを転送する「Delta Block」技術が適用される

 もう1つの「Email Optimizer」は、上述したSendOnceとDelta Blockという2種類の重複排除を、電子メールのローカルファイルに適用する機能だ。具体的には、Microsoft Outlookの.pstファイルやIBM Notesの.nsfファイルを、本文メッセージ部分と添付ファイル部分に分割し、本文部分にはDelta Blockを、添付ファイルにはSendOnceを適用する。CCメールで多数のユーザーが同じ添付ファイルを受け取ることが多いビジネス環境では、これも大きな効果が期待できる。

 このようにバックアップデータを最適化し、さらに圧縮をかけることで、転送データは大幅に削減される。外出先のモバイル回線からでも容易に転送できるほどのデータ容量に抑えられると、小泉氏は説明する。

 「そもそもConnected Backupは、15年ほど前のダイヤルアップ全盛の時代に最初のデザインがなされた製品です。細い帯域でもバックアップができるように工夫されているわけです」(小泉氏)

バックアップログの実例。バックアップ対象ファイルは約250MBほどの総容量だが、最終的な転送データは5MB未満に

特徴2:バックアップデータ容量を大幅削減

 上述したとおり、Connected Backupでは複数の重複排除機能が働くため、バックアップに必要なストレージ容量も最小限で済む。

 また、各PCのバックアップジョブはランダムなタイミングで実行されるため、大量のPCが同時にバックアップデータを転送することもなく、ネットワークの帯域幅を圧迫しにくい。管理者側から見ても効率的な仕組みとなっているわけだ。

 ちなみに、差分転送されたデータは世代管理がなされており、数世代前のファイルを取り出すことができる。たとえば、ユーザーが誤った内容でファイルを上書き保存したり、うっかり削除したりしてしまった場合でも、時間をさかのぼって数日前のファイルを回復させるようなことができるのだ。

特徴3:管理者にもユーザーにも手間がかからない

 管理者もユーザーも、導入後は基本的に何もしなくてよいという点も、Connected Backupの特徴だ。

 PCにインストールされたエージェントは、管理者が設定したポリシーに従って自動的にバックアップ処理を行う。前述したとおり、バックアップジョブはランダムなタイミングで実行されるが、通常はユーザーが気づかないほど処理は軽いという。

エージェントの画面。ユーザー自身でバックアップ対象を追加することもできる

 管理者側も、一度ポリシーを設定してしまえば、あとは特に何も作業する必要がない。エージェントがインストールされた新しいPCがネットワークに追加されれば、自動的にポリシーが適用され、そのPCもバックアップ対象になるからだ。

 バックアップからのリカバリ処理も、基本的にはユーザー自身がセルフサービスで行う仕組みになっている(バックアップデータは暗号化されているため、管理者が内容を覗くことはできない)。ユーザーは、管理者の手を借りずにいつでも、過去のファイルを取り出すことができる。

エージェント上から、ユーザー自身が特定のファイルを選択してリトリーブ(リカバリ)することが可能

 クライアントPCを新しいマシンに入れ替える場合も、ユーザーがセルフサービスでドキュメントファイルを新マシンに移せるので、管理者はユーザーに新しいマシンを渡すだけでよい。

 このように、社内のヘルプデスク業務を大きく簡素化でき、同時にユーザーの効率も上がる点も、Connected Backupの大きなメリットだ。

PCバックアップは「社内へのITサービス」として提供を

 「クライアントPCのバックアップは、社内に向けたITサービスとして、すべてのユーザーへ平等に提供しなければなりません」と小泉氏は語る。社内にあるすべてのクライアントPCをカバーし、均等なデータ保護を適用することで、ガバナンスの効いたデータ保護環境が実現する。Connected Backupは、それを実現するための非常に良いソリューションだといえる。

 すでにPCバックアップソリューションを導入している企業でも、処理が重い、ガバナンスが効いていないなどさまざまな課題を抱えているケースは多いはずだ。国際商社の住商アグロインターナショナルもそんな1社だったが、Connected Backupの導入によって課題を解決し、従業員にも管理者にもメリットのあるPCバックアップ環境を実現しているという。

(提供:日本ヒューレット・パッカード)

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