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DESIGN プロが教えるデジカメ撮影テクニック - 番外編 ― 第3回

「休業の挨拶」が話題のあの老舗の羊かんを撮ってみた

2015年11月05日 11時00分更新

Web Professional編集部

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プロが教えるデジカメ撮影テクニックの著者でプロカメラマンの三浦健司氏の担当編集者。ひとまわりも、ふたまわりも年下の上司にこき使われながら、なんとかこの数年を乗り切り、今や、いっぱしの“編集者づら”をしています(新人の頃の記事はこちら)。最近、気になっているサイトと同じような写真が、どうしても撮れません。「困ったときの三浦頼み」とばかりに、三浦カメラマンのスタジオを訪れました。

インパクトのある羊かん

編集:三浦さん、こんにちは!

三浦:最近、ご無沙汰じゃないか。

編集:えぇ、上司があんなことや、こんなことや……。あ、それはまた、別の機会として、こんな写真撮りたいんです! じゃ〜ん!

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三浦:じゃ〜んもないだろうが。お、『虎屋』のサイトじゃないか。

編集:そうなんですよ。本店の建て替えのために掲載した社長の“休業の挨拶”が“多くの素晴らしい出逢いに恵まれた”実例をいくつかあげて、お客さんを大切する気持ちが半端ないって話題になったじゃないですかぁ。それでサイトを見たら、トップページに羊かんのクセにやけにインパクトがある写真が表示されるんですよぉ。こんなインパクトのある写真を撮りたいなぁと思って。

三浦:クセにっていうのは余計だろ。なるほど、このインパクトは、そうとういろいろな仕掛けがあるね。

編集:いろいろな仕掛けって?

三浦:羊かんをきれいに切るとか、Photoshopとか、Photoshopとか、Photoshopとかだよ。

編集:あぁ、そうなんですか。そうしたら、この写真でもなんとかなりますよね。

02.png

三浦:撮ったんだ、これ。自分で。あのさ、Photoshopって、下手な写真を上手に見せてくれるものじゃないんだよ。知ってる?

編集:は、はい。

三浦:羊かんに透明感がなく、前のエッジが際立たないため立体感が出ず、敷いた紙の凹凸も目立たなくなっている。オートホワイトバランスは紙の色に合わさるので、敷いた紙の色に引っ張られて全体に青っぽくなってしまって、栗と羊かんの本来の色が出ていなくてまずそうなこの写真は、Photoshopというような問題ではないだろう。

編集:そうですね…。

三浦:ま、そんなにしょげるな。それじゃぁ、キミのコンデジで撮り直そう!

ライティング

三浦:プロが教えるデジカメ撮影テクニックは、2灯だけで撮影するのが基本だから、それに合わせたセットはこうだな。

03.png

編集:こんだけですか!

三浦:そう、こんだけ。それで撮ったのは、これ。

04.png

編集:なんか、紙の色合いが違いません?

三浦:キミが用意した紙の色合いがサイトと違うから、違って見えて当然だろう。同じにしたかったら、同じ紙を持っておいで。

編集:あ、すみません。余計なことを…。

三浦:キミは上からの蛍光灯の光だけで撮影しているけど、ライト2灯で撮影するとこうなるね。アートレを通して羊かん全体に柔らかい光をあてながら、おいしそうに見えるように栗の透明感、紙の凹凸感も出しているんだ。

編集:え〜っと、詳しいことはプロが教えるデジカメ撮影テクニックっていうことですよね、やっぱ。

三浦:いや、いいんだよ、別に事細かに話しても。

編集:あぁ、それはだめです。いけません。ますます、仕事きつくなってカラダ壊します。あぁ、でも、羊かんの前にある鏡が気になって、気になって。

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三浦:ふふふ、いいところに気がついたね。今回の一番のキモだな。アートレを通った柔らかい光を、角度をつけた鏡で反射させて、栗や羊かんの前面を明るくして、透明感や立体感を出しているんだ。

編集:そんな面倒なことをしなくても、前からパッとライトをあてちゃえばいいじゃないですか。

三浦:あのね、そんなことをしたら栗の質感も、紙の凹凸感もとんじゃって、のっぺりしちゃうでしょ。たくさんライトを使えばいい、というものではないんだよ。

編集:あぁ、そっか。

三浦:だいたいさ、いい写真を撮ろうと思ったら、手間を惜しむなよ、手間を! そもそも、照明の蛍光灯だけで、写真を撮ろうっていう魂胆がさぁ……。

編集:ありがとうございましたぁ〜!

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