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クラウド、ネットワーク、デバイスのエンジニアがいよいよ邂逅する

IoTの異才たちがLT18連発!SORACOMのフライデーナイト

大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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最強のSORACOM Beam検証環境とは?(クラスメソッド 大瀧隆太さん)

 “ブログの会社”クラスメソッドに所属しているという大瀧隆太さん。同社の「Developer.IO」ではSORACOMネタだけで、すでに10本(本イベント記事で合計11本!)の記事を挙げており、相変わらずの最強ブログ集団ぶりを見せている。そんな大瀧さんはSORACOM Beamの検証環境を社内で共有するための工夫を披露した。

SORACOM Beam検証環境の共有について語ったクラスメソッドの大瀧隆太さん

 SORACOM Beamを検証するにあたっては、3Gドングルをネットワークインターフェイスとして追加すると、OS Xのルーティングテーブルをいじらなければならないという課題があったという。とはいえ、SORACOM Beamを触るためだけに端末を用意するのも面倒。とにかく社内LANから共有できる環境が必要だった。そのため、3G/LTEルーターを用いて、SORACOM AirからBeamに抜ける構成を妄想し、いろいろな機種を試したという。

 いろいろ試した結果、選定したのがバッファローの「DMR-PG」という機種。こちらは「光ポータブル」という名前で4~5年前に一世を風靡した機種で、通信事業者のOEM版もある。中古品がクラスメソッドの近くのイオシスで安く手に入り、しかもクレードルに有線LANポートが用意されているという。現在、同社ではこのDMR-PGにSORACOM SIMを挿しつつ、無線LANはオフ、本来FTTH用の有線LANを社内LANにつなぐよう設定を変更し、SORACOM Beamを検証できるようにしているという。

SORACOM Beam検証用に最強のルーターはバッファローの「DMR-PG」

SORACOM Beam検証環境の構成図

■関連サイト

はやぶさにあこがれ、C#からSORACOMを管理!(@muo_jp なかざわけいさん)

 大トリは@muo_jpことなかざわけいさんによるC#(.NET)からのSORACOMの管理。なかざわさんは、Microsoft AzureやAWSなどを使いこなす“スクールアイドル系のプログラマー”だ。

C#によるSORACOM管理を説明した@muo_jpことなかざわけいさん

 MacBook助け合いの輪により、ディスプレイ表示のトラブルから抜け出したなかざわさん。SORACOMでやりたかったのは、宇宙探査船はやぶさのように遠隔からソフトウェアを書き換えて、通信スループットを改善するような仕組みだ。そこでFPGAをSORACOM AirでOTA更新できる「SoraCommonNet」を開発したという。

 SoraCommonNetではオペレータの新規登録、ログイン、トークン更新、SIMの一覧と情報取得などが可能。Microsoft Azure上でBeamの受信検証、Android/iOS/Windows Phoneでのクライアント開発、WindowsやMac上のCLIクライアントの開発が可能になるほか、VB.NETからの管理も実現されるという。なかざわさんは「APIのサンドボックスがないので、解約を試そうとすると、本当に解約してしまう(笑)」と語り、APIサンドボックスの早期実現を熱烈リクエストした。

FPGAをSORACOM AirでOTA更新できる「SoraCommonNet」

Microsoft AzureでのBeam受信検証から各クライアントの開発まで全部OK

ヤマン賞、ケンタ賞、タマン賞のTシャツは誰の手に?

 18本のLTが終了した後、いよいよ賞の発表。もっともすべった人に贈られる「ヤマン賞」はディスプレイ関連でトラブったAWSの榎波さん、もっともギークな人に贈られる「ケンタ賞」は「SORACOMでVoIP」のエイビット椚座さんが選ばれた。

受賞者を発表する玉川さん、安川さん。選出には相当迷ったよう

フルスケールエンジニアTシャツをゲットするケンタ賞の椚座さん

 そして、もっとも受けた「タマン賞」には、がんばらない介護にIoTを活用するというZ-Worksの小川誠さんが選ばれた。タマン賞を選んだ玉川さんは、「AWSが出たことでたくさんのWebサービスが実現したが、ソラコムはこれをIoTでやりたい。大変なことはソラコムが担い、ワクワクするようなものを、どんどんみなさんに作ってもらいたい。そんな社会的な観点で感銘を受けたZ-Worksの死活監視に贈りたい」と語った。

 フルスケールTシャツを受け取った小川さんは、「介護は日本の命題になっている。困っている人に対して、いち早く、手軽に、すぐに助けられる仕組みをみなさんといっしょに作りたいと思っている」とコメントした。

タマン賞を受け取った小川さんが受賞のコメント

 新サービスの発表から怒濤のLT18連発までの2時間半を一気に駆け抜けたSORACOM Developers Conference #0。普段あまり交わることのないクラウド、ネットワーク、デバイスのエンジニアが、SORACOMを触媒を介して初めて邂逅し、それぞれの存在意義とリスペクトを見つけたという点で、今回のイベントは非常にメモリアルな意義があったと思う。ここで生まれた新しい出会いと熱狂は、IoTという次の産業を生み出す大きな原動力につながっていくはずだ。

LTの登壇者たちとソラコムのエンジニアで記念撮影!

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