いよいよ試走! アシストの具合はどうだ?
それでは走ってみる。
漕ぎ出すと、すーっと進む。当たり前だけど、電動アシストが効くからだ。そしてあっという間に20km/hを越え、アシストがなくなる。スタンダードモードで走ってみたのだが、アシストの感覚が従来の電動アシスト車やBrace XLと全然違う。それが面白い。
従来の電動アシストは、漕ぎ出し時に「グンッ」と押し出される感じで発進する。アシスト頑張っててめちゃ楽だわーと思う瞬間だ。逆に、アシストが切れるときは急に足が重くなって「とほほ」って感じになる。
YPJ-Rは違う。STDモードだとそこまで「グンッ」とはこない。いつもより重いギアにしててもスムーズにスタートできる。「え、今もしかしてアシストしてくれてた? 妙に楽だったわー」という自然な感じ。
そして、ちょっと平地を走るとすぐ20km/hを越えてアシストはなくなっていくのだが、急になくなるのではなく、気がついたら自分の脚だけで走ってた、という感じなのだ。アシストの効き方が優しくて切れ方もスムーズ。
ちょっとヘルメットにカシオのFR10を付けて動画で撮ってみた。せっかくなのでどうぞ。
だから「グンッ」とくるアシストを期待した人には不満もあろうが、スポーツ自転車として普通に走りたい人にはこっちの方がいいだろう。開発者に尋ねてみると、アシストの効き方を従来とは変えてアシストオンからオフへスムーズに移行できるよう苦心してセッティングしたのだという。
モードをHIGHにすると、「グンッ」というアシストパワーを感じられるので、それは切り替えて使うのがよし。
そしてスピードが乗ってアシストがゼロになると普通のスポーツ自転車になる。走りは十分スポーツ自転車クラス。7~8kgのロードバイクに日常的に乗ってる「非ターゲット層」以外の人なら十分快適だと感じるだろう。
漕いだら漕いだだけ気持ちよく走る。15kgと軽くした重量に加え、105クラスのコンポを載せてるから。巡航速度も普通に30km/hを出せる(Braceで30km/hを維持しようと思ったらかなり大変だった)。
これはもう、見た目も走りも「電動アシストくささ」がないという新しいジャンルの自転車といっていいかも。
若年層とリターン層をメインに考えているようだが、それ以外にも「自転車で遠出したいけど、体力に自信がない」層もいるだろうし、自転車で走るのは好きだけど上り坂が多いコースはつい避けちゃうという層もいるだろうし、電動アシスト自転車やロードバイクに対する先入観やこだわりをなくせば、ニーズはけっこうあるんじゃないかと思う。はやくこれで公道を走ってみたい!