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MITテクノロジーレビュー

独特の世界観が魅力のゲーム5タイトルをピックアップ

夏はゲームに浸ろう! Steamのおすすめ雰囲気ゲーを遊び倒す

2015年08月22日 17時00分更新

文● 松野/ASCII.jp

 世間は夏休みシーズンだ。お盆が過ぎ、すでに夏休みを終えた人もいるかと思うが、これから休みを取って「まとまった時間ができるからめいっぱい遊びたい!」なんて人もいるだろう。

 筆者は日頃、仕事の合間にSteamで買いすぎたゲームをちまちま消化する日々を過ごしているが、休みの日には腰を据えてどっぷりとゲームに浸りたくなるもの。そういう時にプレイするタイトルは、しばし現実を忘れられるような、ゲームならではの魅力的な雰囲気や世界観にもこだわりたい。

 そこで今回は、日常を忘れて楽しめる、独特の世界観を持つインディーゲームを5本ご紹介する。なお、ゴールデンウィークにもSteamのインディーゲームを紹介する記事をお送りしたが、今回はゲーム内の雰囲気が特徴であること以外、特に価格や諸々の縛りは設けていない。安心してゲームを楽しんで欲しい。

Homesick  価格:1480円

廃墟好きにはたまらない探索ゲーム「Homesick」

 一人称視点で廃墟となった施設からの脱出を目指す探索型のADV。何より特筆すべきは、インディーゲームとは思えないその美麗なグラフィックだ。経年で朽ちたベッド、汚れて水の溜まったバスタブ、床じゅうに散らばった紙片や木材など、緻密に表現された廃墟特有の空気感は素晴らしいの一言。人的リソースや技術の都合上、どうしてもグラフィックのレベルが落ちやすいインディーゲームとしてこの美しさは群を抜いているが、それもそのはず。制作元のLucky Pauseは、大作映画やゲーム、CMなどに引っ張りだこのCGアニメーションスタジオ「Blur Studio」でクリエイターとして活躍した経歴を持つバレット・ミーカー氏が独立して立ち上げたスタジオなのだ。とにかく、廃墟好きならぜひプレイしてみてほしいタイトルである。

緻密なグラフィックは必見

 プレイヤーは一人称視点で人物を操作し、廃墟を探索しつつさまざまなオブジェクトにアクセスして目的の達成を目指す。基本的にノーヒントな上、あたりに散らばっている本やメモは意味不明の文字で書かれているため、最初は何をすればいいのか分かりにくく、この廃墟に何が起こっているのかもはっきりしない。終盤になるにつれ文字が読めるようになり、物語の輪郭もはっきりしてくるので、ゲームの進め方を理解できていない序盤だけは少し根気が必要かもしれない。

夜の世界は雰囲気がガラッと変わる

 また、夜(夢)の世界では雰囲気が大きく変わるのもポイント。日中と夜のパートでは目的が異なるものの、目的自体がシンプルなことと、それぞれのパートが互いに影響しあっていることを頭に入れておけば、何をすればいいかも自然と分かってくるだろう。

 実はこのゲーム、ホラージャンルに分類されることもあるのだが、過剰な恐怖表現は皆無で、個人的にはゲーム進行の適度なスパイスになっていると感じた(ただし、ゲーム終盤で「やったクリアだ!」と思ったのに何も起こらなかったときはけっこう怖かった。詳しくはプレイしてみて欲しい)。廃墟の雰囲気があまりにも素晴らしく、「この施設には自分一人しかいないんだな」という妙な説得力があるため、不意の幽霊やモンスターの襲撃に怯える必要がないせいかもしれない。「ホラー超得意」という人でなくとも、おそらくは楽しめると思う。

主人公はどうして廃墟に暮らしているのか、この施設に何が起こったのか、真相はプレイしてのお楽しみ

 プレイ中にちょっと気になったのは、キャラクターの移動速度の遅さ。探索中はそれほどでもないが、ちょっと謎解きに迷って施設をうろうろしているときなど、走れないことが若干のストレスになる。ただし、これはゲームの雰囲気作りとトレードオフなので致し方ないとも言える。また、これだけのクオリティーを実現しているため同じく仕方ないのだが、マップ自体はそれほど広大ではない。

 映像や音楽の素晴らしさで、濃密な廃墟の雰囲気を満喫できる本作。休日の1日に、腰を据えてじっくりプレイするならピッタリのタイトルだ。

Collisions  価格:398円

ノスタルジックな雰囲気が魅力の「Collisions」

 7月にリリースされたばかりのパズルゲーム。2Dの画面で転がっていく黒い球を、「弾く」「打ち出す」などのステージギミックを活用して運んでいき、各ステージのクリアを目指す。工場風の建築や影絵のようにデフォルメされた、どことなくノスタルジックなグラフィックが特徴的。

ステージごとのギミックをマウスで操作し、黒い球をひたすらどこかへ運んでいく

 操作はマウスのみ、ステージごとの目的も分かりやすいので、気軽にプレイできるのが嬉しい。最初に何をすればいいか分からなかったり、どうしても詰まった場合はヒントを出してくれる機能もあるので安心だ。また、こういったゲームは得てして「一度プレイしておしまい」になりがちだが、隠しゴールもあるなど、やりこみ要素も備えている。

どこを動かせばいいのか分からない時は、ヒント機能を使おう

 まったく説明されないものの、実はゲーム全体に漂う雰囲気にもきちんと意味があり、注意して眺めていると、要所要所でプレイヤーにひっかかりを与えるような演出が巧みになされている。たとえば第1ステージ、最初に黒い球が運ばれてくるのが妙に遅い。はじめてプレイするときは「?」と思うぐらいだが、クリアしてからもう一度遊んでみると、きちんとした意図が感じられ、妙に感心させられる。要するにこのゲーム、単にクリアの達成感を味わうだけのパズルゲームではないのである。

 雰囲気を重視したゲームの常として、音楽や効果音もよくゲームにマッチしている。30~40分ほどでクリアできるので、ぜひ遊んでみて欲しい。

(次ページでは引き続きインディーゲームを紹介

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