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導入も運用も安心できる仮想化基盤をパッケージで提供

横河レンタ・リースとHPはハイパーコンバージドシステムをこう売る

2015年08月04日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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仮想化基盤に必要なコンポーネントをフルスタックで提供するハイパーコンバージドシステム。横河レンタ・リースは日本ヒューレット・パッカード(HP)のハイパーコンバージドシステムを安心して導入できるパッケージ「FOHCE」で市場を開拓する。

仮想化基盤のスタンダードを目指すHP ConvergedSystem 200-HC

 日本ヒューレット・パッカード(HP)の「HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual(以下、HP ConvergedSystem 200)」は、サーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェアまでをフルスタックで構成した仮想化基盤向けハイパーコンバージドシステム。“ハイパー”という名称の通り、今までの統合型インフラに比べても高い集積密度を実現。また、HPの仮想ストレージ管理ソフトウェアを組み込むことで、外部ストレージなしにサーバーベースのSANを実現している。

HP ConvergedSystem 200-HC StoreVirtual

 HPのコンバージドシステムへの取り組みは古く、2009年発表の「HP BladeSystem Matrix」の時代からハードウェア統合や運用管理の効率化を進めてきた。「サーバー、ストレージ、ネットワークなど部分最適化されたコンポーネントを組み合わせる従来のITインフラでは必ず限界が来ると思っていた。こうしたハードウェアに加え、管理ソフトウェアやサービス、サポートまで組み合わせた新しいITプラットフォームが求められるようになっている」と、日本ヒューレット・パッカード HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏は語る。

日本ヒューレット・パッカード HPサーバー事業統括本部 HPサーバー製品統括本部 統括本部長 橘一徳氏

 2011年にはプライベートクラウド環境の実現を支援する「HP CloudSystem」や「HP VirtualSystem」、アプリケーションのワークロードに最適化した「HP AppSystem」などラインナップを拡充。現在は、「HP ConvergedSystem」というシリーズ名で、SAP HANAやMicrosoft Analytics Platform向けの製品や、モジュール型サーバーである「HP Moonshot System」を採用したモデル、そして従来より高い集積密度を誇るハイパーコンバージドシステムなど、幅広いポートフォリオを展開する。

 さらにHPではブレードサーバーとコンバージドシステムを統括する事業部を新たに創設し、製品開発や市場開拓を推進。「企業での利用でも一般的になった仮想化基盤をとにかく迅速にできる。HP ConvergedSystem 200であれば、100VMくらいを統合できる能力を持っているので、ミッドレンジクラスがターゲット市場になると考えている」(橘氏)とのことで、ハイパーコンバージドシステムに注力している。

運用も統合する横河レンタ・リースの「FlexOperations」

 そして、ハイパーコンバージドシステムのビジネスを立ち上げるべく、タッグを組んだパートナーが横河レンタ・リースだ。

 計測器のレンタル事業からスタートし、現在はIT機器のレンタルやシステムの構築運用まで幅広く手がけている横河レンタ・リースは今年で創業28年。HPが日本進出する際に、親会社の横河電機と合弁会社を設立した経緯で、昔からHPとの関連が深い。横河レンタ・リース取締役 専務執行役員 システム事業本部長の屋代喜久氏は、「20年以上、HPの製品でシステムを構築し、運用・保守まで手がけてきた。ITのライフサイクル自体をマネージし、お客様に提供していくインフラのプロフェッショナルを目指してきた」と語る。最近では端末やサーバーのレンタルから派生し、運用アウトソーシングを請け負うことも増え、HP製品の専門性とレンタル会社ならではのマルチベンダー対応をうまく組み合わせたビジネスを展開している。

横河レンタ・リース取締役 専務執行役員 システム事業本部長 屋代喜久氏

 こうした経緯を持つだけに、統合型インフラもプライベートクラウドが隆盛だった4~5年前から手がけている。2010年には横河レンタ・リース自体も複雑で無駄の多かった全社の基幹システムをHP CloudSystem Matrixで統合。100台のサーバーを収容していた14本のラックをわずか3本にまで集約し、年間保守費用を43%、年間の運用工数も67%削減できたという。さらにここでの統合化システムの構築・運用ノウハウを組み込んだリファレンスアーキテクチャを「FlexOperations」というパッケージとして外販している。

 FlexOperationsでは、HPの管理ツールや自社開発の運用ツールを統合した形でHP ConvergedSystemを提供する。横河レンタ・リース システム事業本部 エンジニアリング事業部 事業推進部長の松尾太輔氏は、「せっかく仮想化のためにハードウェアを統合したのであれば、付随する運用まで統合していこうというのが、インフラ屋としてのわれわれの提案です。バックアップであるとか、起動する手順とか、ログ収集など、従来アプリケーションごとでやっていた処理を基盤側で統合しています」と語る。

横河レンタ・リース システム事業本部 エンジニアリング事業部 事業推進部長 松尾太輔氏

 たとえば、同社のFlexRecoveryは、HP 3PARやHP StoreVirtualと連動して動作し、VMware環境で整合性のとれたバックアップを実現できる。松尾氏は「仮想化が普及する前までにインフラ屋がなにやってきたかというと、ひたすらバックアップとクラスタです。バックアップも今までアプリケーションごとの設定は大変だなあと思っていたので、せっかく1つのストレージ基盤の中に仮想マシンがあるのであれば、一括でとれないかと思っていました」とのことで、静止点を確保し、VMwareを操作し、ストレージのスナップショット機能を用い、バックアップをとる。また、リカバリも複数のオペレーションを統合し、GUIから5ステップくらいでデータを戻せる環境を実現した。

GUIで簡単にデータをリカバリできるFlexRecovery

FlexOperationsで実現したSoftware-Defined Storage

 このFlexOperationsを導入し、プライベートクラウドを構築したのが、横河レンタ・リースの親会社にあたる横河電機である。450台くらいの仮想サーバーが24台のブレードサーバーに統合されており、ITガバナンスの強化やシステム運用の負荷軽減に大きく寄与した。「もともと自前のデータセンターでの運用に限界を感じていた横河電機から、いわゆる“餅屋”である弊社に運用を移すことで、サーバーを集約し、電力コストも年間で1200万円下げることができた。トータルコストの削減やセキュリティの向上を実現できた」と屋代氏は語る。

 また、独立行政法人の千葉労災病院ではFlexRecoveryを活用することで、「HP StoreOnce」にバックアップをとるという環境を構築している。「医療分野は画像が多く、千葉労災病院様でも6割はMRIやCTの画像。これに対して、FlexOperationsベースの弊社のシステムでは、1日で60TBくらいのデータをバックアップできます」(松尾氏)という。また、病院において重要度の高い電子カルテのシステムにおいて高い信頼性を確保したほか、SSDの活用で性能面も担保しているという。松尾氏は、「2013年に導入させていただきましたが、大きなトラブルもなく、電子カルテの性能も上がった。朝までバッチが終わらないという従来のシステムの問題も解消したと、評価いただいております」と語る。

 横河レンタ・リースがコンバージドシステムに注力するもう1つの理由は、以前からSoftware-Defined Storageに注力してきたからだという。

 同社はHPにLeftHandの買収直後からHP P4000 VSA(現StoreVirtual VSA)によるSoftware-Defined Storageを手がけており、現在のハイパーコンバージドシステムと同等の製品をHPのブレードサーバーやラックマウントサーバーで実現してきたという経緯がある。「正直、最初はコストから検討した。専用のストレージは高価で、設定も難しいという課題があった。しかし、お客様には、むしろスモールスタートできるという点が受けている。ラックマウントサーバーとStoreVirtual VSAでも試したが、CPUに比例して、処理能力を向上できる」と松尾氏は語る。

 同社が2011年当時に構築された事例をヒアリングしたところ、4年の間安定運用を継続。唯一起こったファームウェアの不具合による障害も、コントローラーレスのP4000のネットワークRAID機能でデータ損失やシステム停止なしに乗り切ったという。「東京都内と栃木でDRするような事例や、FlexRecoveryでサイト間で連携する事例など、数多く手がけている。専用ハードウェアではないと不安というお声もいただくのですが、すでに実績も多く持っています」(松尾氏)。

(次ページ、ハイパーコンバージドシステムも安心で使える「FOHCE」)


 

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