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マイクロソフト革新の象徴、Windows 10を知る 第1回

「最後のWindows」となる?

Windows 10は、「過去最大のプラットフォーム」を目指す

2015年07月30日 17時00分更新

文● 松野/ASCII.jp

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 7月29日にリリースされた、マイクロソフトの最新OS「Windows 10」。Windows 8のリリースから約3年ぶり、Windows 8.1からは約2年ぶりのメジャーアップデートとなった新OSは、過去にない提供形態として「旧OSからの無料アップグレード」を実施するなど、大きな話題を呼んでいる。

 3代目CEOにサティア・ナデラ氏が就任して以降、急速にビジネスモデルを転換し、「ソフトウェア会社」から「デバイス&サービスカンパニー」へ変革を遂げつつあるマイクロソフト。同社のあらたなビジネスの象徴となるプロダクトが今回のWindows 10であり、低迷するPC市場復活の起爆剤となるかどうかにも注目が集まっている。

 本特集では、そんなWindows 10の主な特徴や提供形態、実際のアップグレードの手順、今後の展望まで、様々な側面から新しいWindowsを俯瞰していく。

マイクロソフトが送り出す「最後のWindows」

Windwos 10では初めて、OSの無料アップグレードが実施された

 世界190ヵ国、111言語で提供されるWindows 10。2年ぶりのメジャーアップデートというだけでも話題性はあるが、これまで以上に多くのユーザーの注目を集めたのは、Windows 8.1およびWindows 7搭載PCで、Windows 10への1年間無料アップグレードが可能になったためだろう。サポート期間が延長されるなど、ユーザーにしてみればメリットの多い施策だが、マイクロソフトとしてはこれまでのようなメジャーアップデートで得てきた収益が見込めなくなるわけで、かなり思い切った試みだと言える。

 もっとも、こうした施策には市場の変化も影響していると見ていい。スマートフォン・タブレットの普及によるPC利用者の減少などにより、昨今のWindowsが以前ほど支配的な地位を占められなくなったのは周知の通りだ。現在のWindowsは、PC全体では9割のシェアを維持しているものの、デバイス全体のシェアで見ると2割以下に落ち込んでしまうというデータもある。

 市場におけるリーダーではなく、チャレンジャーとして「ユーザーに選んでもらえる」デバイスやサービスを展開しなければならない、という危機感が、今回の無料アップグレード実施に至った大きな要因だろう。従来のようなメジャーアップデートで得られなくなった利益は、Windowsストアにおける商品販売や、すでにOffice 365などで始まっているサブスクリプション(月額契約)によりカバーしていくことになる。

 

Windows 10は「ソフト」から「サービス」へ

 こうしたビジネスモデルの転換にあわせて、Windows 10の開発にあたっては「Windows as a Service」というあらたな概念が提唱されることとなった。米マイクロソフトのジェリー・ニクソン氏が「Windows 10はWindowsの最後のバージョンとなる」と明言した通り、今後はWindows 10をベースに定期的な機能アップデートが実施されていくだけで、「Windows 11」や、それに類するメジャーアップデートのバージョンは登場しないとされている。

 ただし、「ハードウェアが物理的に動作しなくなるまでサポートが受けられる」わけではなく、最新の発表では、マイクロソフトはWindows 10の無償サポート期間を2025年までと設定しているようだ(メインストリームサポートは2020年まで)。その後Windowsがどうなるのか、たとえばOffice 365のようなサブスクリプションサービスに移行するのか、もしくはWindowsに代わる別のOSが登場するのかについては、現在のところ公式の発表はない。

(次ページ、あらゆるデバイス・アプリを包含する「One Windows」と「Universal Windows Platform」

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