VMworld 2015開催直前!Software-Defined DataCenterの最新動向
コンテナをもっと利用しやすく!ヴイエムウェアのSDDC戦略
2015年07月30日 15時00分更新
7月30日、ヴイエムウェアはSoftware-Defined DataCenter(SDDC)のアップデートを行なった。発表会では、米ヴイエムウェア Software-Defined DataCenter部門 EVP and GMのラグー・ラグラム(Raghu Raghram)氏がSDDC戦略の進捗について説明した。
既存の環境からの移行をクラウドで手伝いたい
ヴイエムウェアのSDDCは、クライアント/サーバー型システムを最新のクラウド・モバイル型システムに移行するためのモダナイズ技術を指す。既存システムを仮想化し、データセンターにデプロイ。クラウドネイティブのアプリケーションまで統合し、1つのハイブリッドクラウド環境で実現するのがヴイエムウェアの戦略だ。「あらゆるアプリケーション、あらゆるデバイスに対応する1つのクラウドで、お客様が現状から移行するお手伝いしている」とラグラム氏は語る。
具体的には、ヴイエムウェアはどのような取り組みを進めているのか? 2015年の第1四半期では、VMware vSphere 6やVirtual SAN、Virtual Volumeなどの製品群と、それらを統合したvCloud Suite 6を発表。また、昨年はOpenStackとのインテグレーションを実現するAPIを整備した。幅広いアプリケーションに対応しており、SAP HANAのようなスケールアップ型のアプリケーションはもとより、Hadoopのようなスケールアウト型アプリケーションでの利用もサポートしているという。
クラウドネイティブアプリケーションもサポート
クラウドネイティブアプリケーションに関しても、さまざまな発表が行なわれている。同社では昨年からPivotalやOpenStackのAPIを整備してきたが、2015年4月にはコンテナ向け技術を拡充。コンテナ向けの軽量なLinux OSである「Photon」やコンテナ内のアプリケーションにID管理を実現するディレクトリサービス「Lightwave」などのOSSプロジェクトを発表している。
また、6月のDockerイベントでは、Docker対応の「AppCatalyst」が発表されている。Photonが組み込まれたAppCatalystでは、クラウド・データセンターの環境をデスクトップに複製できる開発者向けハイパーバイザー。さらにVMware環境向けのDockerランタイムである「Bonneville」もあわせて発表された。Bonnevilleを使うことで、Docker APIを介して、直接ESX上にDockerコンテナを作成できる。
なぜコンテナの技術に注力するのか? ラグー氏は、「開発者がコンテナを気に入っているからだ。しかし、本番環境にコンテナを導入するには、堅牢なインフラを必要とする。セキュリティやネットワーキング、管理、パーシスタントも必要だ。そういった領域で付加価値を提供できると思っている」と語る。クラウドネイティブのアプリケーションに対して、セキュアでスケーラブルな環境を提供するのが大きな目的だという。