第2回は、情報の少ない熱伝導シートをチェックしていく。CPUグリスと比べるとどうなのかが気になるところだ。
メリットとしてはCPUグリスのように塗る必要がなく、CPUとCPUクーラーの間に挟むだけでOKというところだ。製品によっては繰り返し使用可能であったりもする。デメリットとしては、そのCPUにジャストサイズでないことで、その点から冷却性能について不安を覚えやすい。

製品によっては再利用も可能な熱伝導シート。半固形のCPUグリスと性能に違いはあるのだろうか?
熱伝導シートは、熱伝導率が20W/m・Kや90W/m・Kといったものもあり、性能表記によるスペックはCPUグリスより高いことが多い。では、実際どうなのかさっそく検証してみよう。
検証機材は第1回と同じく、AMD「A10-6800K」を使用し、BIOS放置で10分経過したところで、BIOS読みの温度とサーモグラフィー「FLIR E8」による計測を実行している。
テスト環境 | |
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CPU | AMD「A10-6800K」(4.1GHz) |
マザーボード | MSI「FM2-A85XA-G65」(AMD A85X) |
メモリー | CORSAIR「CMD4GX3M2B1600C8」 4GB×2 |
SSD | Samsung「MZ-7KE256B/IT」(850 PRO 256GB) |
電源ユニット | Thrmaltake「TP XT-850AH3CCB」(850W) |
CPUに使うには分厚くて小さい気が……
高熱伝導性灰色ラムダ・ゲルシート
分厚い熱伝導シートで、スペックは6.5W/m・Kとあるのだが、まず小さい。写真を見てもわかるように、CPUサイズを余裕もって下回る小ささだ。大丈夫なのかしら……と測定を開始してみたところ、BIOS読みで77度を記録し、サーモグラフィーでは35.8度になった。
CPUコアの温度が77度もあるのに、CPUクーラーの温度が35.8度と低すぎることから、CPUクーラーに熱がうまく伝わっていないことがわかる。どうもCPU向けではないようである。
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(→次ページヘ続く 「熱伝導シートは薄いほどいい?」)

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