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優秀賞・テクノロジーエッジ賞の13社がピッチを披露

今年は画像解析?Microsoft Innovation Award 2015開催

2015年06月29日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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サポーターも加わった優秀賞7社のピッチ

 後半は優秀賞7社のピッチが行なわれた。こちらは担当者によるプレゼンテーションに加え、ベンチャーキャピタルやマイクロソフトの社員がサポートコメントを寄せ、技術や製品の優位性・将来性がアピールされた。

紙にまつわるごたごたを解決する「AltPaper」(情報基盤開発)

 データ入力業務を支援する「AltPaper」を手がける東大ベンチャーの情報基盤開発。マークシートをWordで作れるAltPaperは、同社が得意とする画像認識とデータベースの技術をベースに、紙に書かれた情報を自動的に入力・集計できる。専用紙・専用機が必要な従来のOCRに比べて、大幅にコストを削減でき、アンケート等をスピーディに集計。実際、先日のde:codeでは2500枚のアンケートを即日・自動集計し、その威力を発揮した。派遣市場の約半分がデータ入力業務と考えると、市場規模も非常に大きいという。

OCRに比べて、大幅なコスト削減ができるAltPaper

KinectでTVの視聴態勢を調べられるTVI-“Identifier”(TVISION INSHIGHTS)

 「テレビを科学する」を謳い、視聴者のTVの見方を調べることができる顔認識技術を持つTVISION INSHIGHTS。TVに設置されたkinectを用いて、誰が観ているのか、ちゃんと見ているかどうかの視聴態勢、どう感じているかの感情分析までを取得し、視聴率とは異なる視聴の「質」を把握するのがTVI-“Identifier”のテクノロジーだ。現在、100世帯で1秒ごとの視聴体験を取得しており、A/BテストやTVコンテンツやCM配信の最適化が図れるという。

Kinectを使い、誰が観ているのか、ちゃんと見ているのか、どう感じているのかを取得し、分析するTVI-“Identifier”

写っている画像をスピーディに判定する「画像解析できるマン」(ウサギィ)

 Webサイトで画像をドラッグ&ドロップすると写っているものを解析してくれる「画像解析できるマン」を手がけるウサギィ。10万点以上の画像をコンピューターに記憶させ、機械学習でスピーディに画像を解析できる。会場ではサイトの写真が「ごはん」かどうかを識別させたり、写真に写っている商品を判定し、商品のサイトにジャンプさせるデモを披露した。画像認識や音声認識のほか、「書いた人の性別や年齢を推測する」文章認識なども手がけている。

画像をドラッグ&ドロップすれば、ご飯かどうかを判定してくれる「画像解析できるマン」

SNSの画像分析で消費者同行を把握できる「Brand Pit Analytics」(Brand Pit)

 Brand Pitは、SNSの画像を認識し、消費者の動向を調べることができる「Brand Pit Analytics」をグローバルで展開している。SNS上の画像はマーケティングに活かせる情報が豊富に含まれた宝の山なのにもかかわらず、全体の80%はハッシュタグが付いておらず、ハッシュタグ自体もスパムや入力ミスが多い。これに対して、Brand PitではSNSの画像の中に写っている商品を識別し、特定のブランドがどのようなシーンで消費されているかを調べることが可能。消費者行動の調査、市場調査、キャンペーンの効果測定、競合調査などに利用できるという。

SNSの画像を認識し、消費者の動向を調べられるBrand Pit Analytics

スポーツマン向けに残像動画を自動生成する「Clipstro」(SPLYZA)

 「アマチュアスポーツマンのもっとうまくなりたいを助ける」をモットーに、スポーツマン向けの残像動画生成アプリ「Clipstro」を開発したSPLYZA。ウインドサーフィン上達のために残像動画を手軽に作れないかと考えたのが開発の背景だという。iPhoneアプリで撮影するだけで残像動画が生成でき、日々の練習の中で、ゴルフのスイングやランニングのフォームなどをチェックできるとのこと。Webサイト用のAPIを持ったクラウドサービスはMicrosoft Azureを使って約1ヶ月で構築。フォームのチェックのみならず、企業でのキャンペーンやエンタテインメント分野でも利用が拡がっているという。

撮影するだけで、日々の練習で使える残像動画作成アプリ「Clipstro」

マーケティング用途で高速な顔認識を実現する「FG-サイネージ」(サイトセンシング)

 産総研ベンチャーのサイトセンシングは、顔認識可能なカメラ内蔵の「FG-サイネージ」を展開する。ビジネス的に成功例の少ない顔認識の分野での成功を目指し、セキュリティ用途ではなく、マーケティング用途での利用を前提に製品を開発。独自ロジックで一度に20人の顔をスピーディに認識できるほか、笑顔の度合いや購買パターンにリンクした見かけ属性を調べることが可能だという。現在では、専用のサイネージやタブレットでも利用できるようになっており、スマホ、PC、IoTデバイスなどに展開していく予定になっている。

コンテンツの視聴動向・注目度を自動計測するサイネージ

300万ダウンロードを達成した「渋滞ナビ」

 累計で300万ダウンロードを突破した渋滞情報収集アプリ「渋滞ナビ」を提供するフリックテック。プローブ情報から得られた正確な渋滞情報をiOSやAndroid、Windows向けのスマホアプリから利用できるほか、ユーザー参加型の渋滞マップを用意している。データを道路にひもづけることで、全国で360万リンクを監視。3分以内に処理するという性能の高さも大きな売りとなっている。

300万ダウンロードの渋滞ナビのテクノロジー

画像解析系の台頭が光った今年のアワード

 各社のピッチと医療系ベンチャー・パネルディスカッションの終了後、オーディエンス賞と、最優秀賞の表彰が行なわれた。会場の参加者が選ぶオーディエンス賞にはWeb高速化技術をMist Technologies、審査委員による最優秀賞にはTVの視聴体験を効果測定するTVI-“Identifier”が選ばれた。

オーディエンス賞に選ばれたMist Technologies最優秀賞に選ばれたTVI-“Identifier”

 最優秀賞の受賞者には賞金50万円のほか、マイクロソフトのアクセラレータープログラム訪問に利用可能なマイレージ提供(日本航空)、クラウド会計ソフト freeeの20万円分のライセンスが提供された。また、過去の受賞企業であるSansanからは、全受賞企業に対してEightのプレミアムクーポンとEight VIPスキャンが提供された。

受賞者やサポーター、マイクロソフト関係者による記念撮影

 センサリング、IoT、機械学習、デジタルマーケティングなど、受賞者のバリエーションは豊かだが、今年は画像解析系の台頭が目に付いた。全体的に見ると、革新的なアイデアやビジネスモデルというより、既存のテクノロジーやビジネスモデルにブラッシュアップを施したカイゼン系が多く、地に足の付いたピッチが多かったのが印象的だった。B2B市場を意識したスタートアップが多かったのも、マイクロソフトらしいセレクトと言えよう。

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