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ネットワークの未来を描く「Interop Tokyo 2015」レポート ― 第3回

通信事業者もエンタープライズもSDNのメリットを

SDNに本気なNEC、今すぐ役立つソリューションを披露

2015年06月11日 11時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Interop Tokyo 2015展示会場のほぼ中央に位置するNECブースでは、スペースを割いてSDNソリューションの展示を披露した。コスト削減やセキュリティ向上、ビジネスの迅速化など具体的なメリットに結びつくソリューションが多いのが印象的だった。

監視ツールとの連携やOpenFlow対応ルーターなどを披露

 全社挙げてSDNに注力するNECは、エンタープライズや通信事業者向けのSDNソリューションを展示。積み重ねてきたSDN分野での実績を元に、コンセプトの域を完全に脱した今すぐ役立つSDNソリューションが披露された。

 エンタープライズ向けとしては、SDNと仮想サーバー基盤を連携させ、一元管理するソリューションが展示。具体的には仮想環境の監視を行なう「VMware vRealize Operations Manager」に対して、NECのSDNコントローラー「Programmable Flow Controller」のリソース情報を提供するアダプタを新たに開発。vSphere環境での仮想マシンとネットワークのリソース情報を関連づけたダッシュボードを提供し、効率的なトラブルシューティングやプロアクティブな予兆検出、リソースごとの可視化が可能になった。ネットワークのみならず、同社のiStorageでも同様のリソース情報を提供できるため、クラウドサービス基盤の統合運用が実現するという。

 また、OpenFlow1.3.1に対応するアクセスルーター「UNIVERGE IXシリーズ」も披露された。従来LANでの利用が多かったSDNをWANでも利用可能にするもので、フロー単位でのルート制御やWAN障害時の自動迂回などが実現する。従来通りのVPNルーターとしても用いる、導入タイミングにあわせてSDN機能を有効化にすることで、無理のないマイグレーションが可能になるという。

OpenFlow対応のUNIVERGE IXシリーズ

 さらにSDNとセキュリティシステムとの連携も披露。これはパロアルトネットワークスやトレンドマイクロなどのセキュリティ装置のイベント検知をSDN連携アダプターが受け取り、コントローラー経由で不正な通信を行なっているデバイスの切り離し・隔離などを行なうもの。サイバー攻撃の初動対処を自動化でき、スイッチによって防御箇所を広範囲化することができる。

パロアルトネットワークスやトレンドマイクロなどとの連携ソリューションを披露

 会場では6月1日に発表されたばかりの「PF5340-48XP-6Q」「PF5340-32QP」などの大規模データセンター向けSDN対応スイッチも展示されている。フレームオーバーヘッドの小さいQinQフレーム方式とOpenFlow技術、端末アドレスの自動学習機能などの組み合わせにより、最大64万のVLANが利用可能。PFシリーズのSDNコントローラーと連携することで、最大6万4千のユーザを仮想テナントネットワーク(VTN)に収容でき、ユーザーが自由にVLAN IDを設定できるという。

発表されたばかりの大規模データセンター向け新スイッチ

通信事業者のSDN対応も見据えたソリューション

 通信事業者向けのSDNソリューションとしては、SDHなど既存のトランスポートシステムを段階的にSDNにマイグレーションできる「トランスポートSDNソリューション」を披露した。トランスポートSDNコントローラーが既存のEMS(Element Management System)を制御することで、マルチレイヤーでの帯域確保やリソース管理の効率化、データセンター/NFVとの連携などを実現する。抽象化や仮想化などの導入で、運用性も向上し、さまざまなレイヤーとベンダー間をまたいだ可視化も可能になるという。

トランスポートSDNソリューションの展示

 また、通信事業者がエンドユーザー宅内に設置していたCPE(Customer Premises Equipment)を仮想化するvCPEソリューションも展示された。CPEのルーター等で提供されていたDHCPやNAT、セキュリティなどを通信事業者のインフラにあるサーバー上で実現。これにより、CPEの障害やアップデートのために通信事業者側がユーザー宅に出向いたり、交換対応する必要がなくなり、運用コストが大幅に低減。vCPEに対して宅内向けサービスを迅速に提供することができるため、新たな収益源を迅速に得られるという。

 vCPEはテレフォニカのブラジル子会社であるテレフォニカブラジルで、大規模なトライアルを開始している。すでに未来の技術ではないようだ。

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