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アップル製アプリ解析ツール「Appアナリティクス」とは

2015年06月09日 11時00分更新

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今回は、ついに提供開始されたiOS向け公式解析ツール「Appアナリティクス」について紹介します!

App Analyticsとは?

アップルが公式に提供するアプリ解析の仕組みです。追加SDK不要でアクティブ数などの指標が見られ、iTunes Connectのアカウントさえあれば使えます。

01.png

アプリの基本的なKPIがビジュアルで表示される

具体的に何ができるの?

継続率やアクティブ数などの基本指標が見られるのはもちろん、それらをクロス集計できます。それらについては、すでにいろいろな記事がありますので、この記事では特筆すべきトピックスと、具体的な活用方法について書きます。

1.各アプリの「ストアページ」閲覧数が分かる!

今まで未知の世界だった各アプリのストアページのPVが分かるようになりました。これにより、下記のような分析が可能になります。

・ストア閲覧数から ⇒ アイコン/検索ワードを変えたらPVが増えた/減った
 ⇒無料ランキング○位の時のPVが○○、○位の時は○○…
・DL数÷ストア閲覧数=CVRから ⇒ スクショを変えたらCVRが上がった/下がった

2.リファラーが取れる!

今まで未知の世界だった「ストアページにどのサイトを経由してたどり着いたか」を調べられるようになりました。また、サイトごとの閲覧数、DL数などもクロス集計できます。ただし、ストアのランキングや、ストアの検索経由の数値は取得できません

どのカテゴリからの流入か、どの検索ワード経由の流入かなどが分かれば最高でしたね。

3.キャンペーンURLが作成できる!

iTunes Connect上でキャンペーンURLを10秒で作成できます。また、作成したURL経由のDL数やアクティブ数も計測できます。これまで広告会社のSDKなどを使う必要があった部分ですが、今後は誰でも自前でできるようになりました。

※ただ、広告SDKと併用する場合、後述の数字の定義が違うので、注意が必要です

数値の定義は明確に理解しよう

Appアナリティクスの数値は、いくつかの条件を満たした数値だけが集計されています。そのため、多くの場合他の解析ツールでとっている数値より低くなる傾向があるので、定義を明確に理解した上で分析できると良いと思います。

1.iOS8以上のデバイスからのアクセスのみ

すべての数値において、iOS8以上のデバイスの数値のみ集計されます。弊社のアプリでは、新規DLのうちの80%~90%がiOS8以上です。

2.多くの指標がオプトインのみ

「アクティブ数」「継続率」など、ユーザーのアクティビティに関わる多くの指標がオプトインのみの数値です。弊社のアプリでは、30%~40%のユーザがオプトインに設定していました。

※オプトアウトの設定方法
 「設定」⇒「プライバシー」⇒「診断/使用状況」⇒「Appデベロッパと共有」をオフにする。

60%以上のユーザーが、この設定でオプトアウトにしてるということですが、本当でしょうか…。感覚値的には、弊社のアプリで異常値が出ているか、他のバイアスもかかった数字になっているような気もします。

3.ユニット数とインストール数

「ユニット数」と「インストール数」という似て非なる数値があり、ややこしいので区別しておく必要があります。

「ユニット数」は特定のAppleIDでそのアプリが「初めて」DLされた数を指します。再ダウンロードや、アップデートはカウントされておらず、いわゆる「新規ユーザ数」の分析に有効と思われます。

「インストール数」は、アプリがダウンロードされた総数を指します。アップデートはカウントされませんが、ユニット数と違い再ダウンロードを含みます。また同一アカウントで複数デバイスでDLした場合もカウントされます。

カムバックしたユーザ数を測るためとも言えますが、どちらかと言うとリセマラ…(以下については省略します…)

まとめ

現状では「ストアページのPDCAができる!」「リファラを使いSEOや広告のPDCAができる」が、主なトピックスです。

しかし、オプトインのみの数値である事から、多くのディベロッパーの場合PDCAをまわすには少々数値の母数が足りないのではないかとも思います。本ツールは未だβ版である事から、今後もアップデートが期待されます。

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