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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第142回

自分の好きな音を持ち運べるようになりたい

真空管アンプを持ち歩ける時代がくる? Nutubeの未来を探る

2015年03月14日 12時00分更新

文● 四本淑三

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この記事はコルグとノリタケ伊勢電子が共同開発した新型真空管「Nutube」についての開発インタビュー記事4回目です。これまでの記事は下からご覧ください。
1回目:「真空管はいいことない」―それでも「Nutube」が出た理由
2回目:Nutube開発者はなぜ真空管造りに蛍光表示管を選んだのか
3回目:若手エンジニア語る、真空管への思いとNutube試作品の仕様

4回にわたったNutube開発者インタビュー。今回が最終回

 従来の真空管に比べて省電力という触れ込みどおり、Nutubeで試作されたギター用ヘッドアンプは20V、プリアンプはわずか12Vで動作していた。一般的なギターアンプの真空管が300Vで動作していることを考えると、これは画期的だ。

 低電圧動作のため小型軽量設計が可能というメリットを生かし、実際に試作されたヘッドアンプは、60W出力ながら3kgの重さしかなかった。将来的に動作電圧はもっと下げられ、さらに小さく軽く作れるという。いずれギグバッグのポケットに入るチューブアンプも夢ではないかもしれない。

 最終回となるNutube開発陣へのインタビューは、なんと試作品のプリアンプ、ヘッドアンプを試奏させてもらったので、その印象をお伝えしたいと思う。また、試作品以外については話せないという条件付きだったが、Nutubeの可能性や今後について開発陣にちょっとだけ聞いている。

Nutubeは青く光る!

 試奏用にはNAMMショーのデモで使われたものと同じ機材と、プリアンプ接続用にローランドのギターアンプ「JC-120」、ヘッドアンプを接続するためのスピーカー・キャビネットに、マーシャルの「1960A」が用意されていた。

NAMMショーのデモ演奏で使われたヘッドアンプとスピーカーキャビネットの組み合わせ。ヘッドアンプのプリアンプ部はブースト/クリーンの2ch構成で、フットスイッチで切り替えられる
JC-120やマーシャルのキャビネットは、いずれも現在のスタジオやライブハウスが用意している標準的機材で、もしNutubeを積んだ製品が市販されたら、当たり前に組み合わせて使うことになる。そうした事情を考慮して他社製品でテストさせてくれるあたり、コルグの人たちは太っ腹だ

 電源を入れてもらって驚いたのは、まずNutubeが光るということだ。

 真空管を使った機材では、それアピールする意味で、真空管の後ろからLEDの光を当るギミックをよく見かける。フィラメントの赤熱をイメージしたものだが、蛍光表示管の技術で造られたNutubeは、それ自身が発光するのだ。

 少年時代に同調指示管「マジックアイ」の増幅作用を確認した経験から、蛍光表示管の応用でNutubeが作れることを思いついたという、三枝監査役のコンテクストを凝縮したような仕掛けで、これはなかなか意味の深いギミックだと思う。色もマジックアイに近いところが泣かせる。

ヘッドアンプのスリット奥に見える青い光がNutubeの光スリット左のNutubeと比べながら、光っているところをイメージしてほしい

(次ページでは、「気になるヘッドアンプのインプレッションは?」

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