銅プレートに金メッキ
シャシーとパーツへのこだわり
音質向上に向けた試行錯誤は、シャシーにまで及ぶ。「ZX1はアルミ削り出しシャーシがウリだったが、銅板だけのZX1を制作し、そこに容量を倍にしたバッテリーを積んでみたところ、同じS-Master HXなのに音の印象が一変した」(佐藤朝明氏)。ZX2で新採用となった「金メッキ銅プレート」の誕生は、ここに原点がありそうだ。
シャシーといえば剛性にばかり目が向きがちだが、ZX2は金メッキ銅プレートと密着させたシャシーを積極的にグラウンドとして使う。
「シャシーに流れる電流で音が変わる」(佐藤朝明氏)という確信が、アルミフレームと金メッキ銅プレートの組み合わせを生み出したのだ。
「グラウンドのキャパシティが大きいほど低域に締まりが出る。銅素材を採用した結果、インピーダンスを下げられるようになった」(佐藤浩朗氏)。ちなみに、ホームオーディオでよく使う“銅”は“鉄に銅メッキ”を施したもので別モノだ。
しかし、銅は柔らかい上に錆びやすい。そこでメッキを施すことになるが「すずやニッケルのメッキでは我々が目指す音が出なかった。そこでコストはかさむが、金メッキを採用することにした」(佐藤朝明氏)とのこと。
剛性が必要な部分は引き続きアルミ、インピーダンスを下げたい部分は金メッキ銅プレートで基板とつなぐ、という設計の誕生だ。
(次ページに続く、「音質向上のための重量増加」)
この連載の記事
-
第3回
AV
「ウォークマンは音が割れない」――NW-ZX2のソフト面の工夫を開発陣に聞く! -
第1回
AV
フラッグシップウォークマン「NW-ZX2」発売! ZX1との違いと音質をチェック!! -
AV
13万円の高級ウォークマン「NW-ZX2」を隅々まで解説! - この連載の一覧へ