日本ヒューレット・パッカードは企業向け製品も扱っており、そのノートPCには比較的堅実で地味なつくりのイメージがあるかもしれない。同社はこれまでもゲーム推奨認定PCなどはリリースしていたが、ゲーミングPCらしい雰囲気をもったマシンはデスクトップ機に偏っていた。そんなHPから登場した、非常に「ゲーミングPCらしい」雰囲気を備えた15.6型ノートPCが「HP OMEN 15」だ。
アメリカでかつて「VooDooPC」などゲーミングPCをリリースしてきたHPが、ゲーミングPCとして究極のテクノロジーと先進デザインを強く意識して作ったというこのモデルを試用してみた。
レーシングカーをイメージしたアルミ切削処理加工のボディ
開梱する時点で非常に気になるのは、“四角くないこと”だ。付属する化粧箱も側面が斜めにカットされた独特の形状だが、本体デザインもトップカバーよりも底面が大分小さい。上から下に向かって切り込むように斜めにカットされたデザインは、独特のものだ。おかげで、ディスプレーを広げるとキーボードよりもディスプレー側が大きく感じられ、大画面感が強くなる。
「HP OMEN 15」のトップカバーは金属的な感触でさらさらとした表面加工だが、これはアルミ素材を採用している。表面にドットが並んでいるのだが、このドットもよく見ると1つ1つが三角形になっているなど、かなり凝っている。コンピューター数値制御による高精度なアルミ切削処理によって作られ、ロゴも削り出しだという。
全体はブラック基調なのだが、ヒンジ部が金属感のあるシルバーパーツで、外側が青から紫のグラデーションでコーティングされている。高温で焼けた金属のような色合いなのだが、全体のイメージもレーシングカーからインスピレーションを受けて作られているのだという。ヒンジ部はマフラーをイメージしたということかもしれない。ヒンジの下には排気口があるのだが、ここは利用中に赤くぼんやりと光る。ちょうど車のテールランプのような色合いだ。
「HP OMEN 15」の本体サイズは幅383×奥行き251×高さ15.5-19.9mm。これはゴム脚を含まないサイズで、ゴム脚を含んだ場合の高さは22.6mmだ。15.6型ディスプレーを搭載したゲーミングノートPCとしてはかなり薄型で、2014年12月1日時点では業界最薄だという。重量は約2.15kgでこのサイズとしては軽い方といった程度だが、ハードなプレイにも耐えてくれる安定感がある。
見映えと性能を両立した独自設計の吸排気システム
ヒンジ下にある背面の排気口は、赤く光るだけが特徴ではない。この面も下に向かって切れ込むようなフォルムになっており、上にしっかりとしたヒンジをつけたことで、ディスプレーを大きく開いた時にも排気口がふさがれて排気を妨げることがない構造になっているのだ。
吸気はどこから行っているかといえば、底面からになる。底面の半分弱がトップカバーと雰囲気の似た三角形のメッシュで覆われているのだが、これが吸気口だ。底面のカバーをあけると、内部にデュアルファンと3本のヒートパイプが配されているのがわかる。
高性能なマシンほど発熱対策をしっかりしなくてはいけないため、どうしても見た目がゴツくなりがちだし、吸排気口が無骨な印象を与えるデザインになりやすい。そうした中で「HP OMEN 15」はかなりスマートなイメージを持たせているのが特徴といえるだろう。
熱くなりがちなパームレストなども金属のひんやりとした感触が心地よく、ハードな使い方をしている時でも特に熱くなることはなかった。キーボードの温度も安定しており、利用中にどこかが妙に熱くて不快、というようなことがないように作られている。
(次ページ、「マクロキーも搭載! ゲームに特化した光るキーボード」に続く)