このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

コスパも拡張性も最高!NetAppのSANの真価とは? 第3回

ネットアップが提供できるマルチテナント、信頼性、SLAの魅力

NTT Comエバンジェリストが語る差別化できるクラウドインフラ

2015年01月14日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

競争の激化するクラウド市場の中で、クラウドプロバイダーはベンダー製のストレージをどのように使っているのだろうか? また、どのような思想でインフラを構築しているのか? NTTコミュニケーションズのクラウドエバンジェリストである林雅之氏に聞いた。

インフラから運用管理までワンストップで提供

 Amazon Web Services(AWS)を中心にMicrosoft、Google、IBMなど大手ベンダーが激しいシェア争いを繰り広げるクラウドサービスの市場。こうした中、通信事業者の強みであるネットワークとインフラから運用管理まで網羅するワンストップなサービスを売りに実績を積み重ねているのが、NTTコミュニケーションズだ。

 同社は2011年に「Global Cloud Vision」を発表し、M&Aやサービス開発によって、グローバル展開とクラウドサービスを積極的に推進している。このうちクラウドサービスは、低価格で豊富なAPIを持つ「Bizホスティング Cloudn」と、エンタープライズ向けの信頼性を持つ「Bizホスティング Enterprise Cloud」の2種類を用意している。「Bizホスティング CloudnはOSSベースの技術を用いた低価格なクラウドで、競合の価格変更にも基本追従します。Bizホスティング Enterprise Cloudは信頼性重視で、NTTコミュニケーションズならではの品質やセキュリティを実現しています」と林氏は語る。

NTTコミュニケーションズ クラウドエバンジェリスト 林雅之氏

 このうち多くの大企業で実績を持つのが、Bizホスティング Enterprise Cloudだ。「HOYAやヤマハ発動機、伊藤忠などのお客様が基幹システムを動作させるプラットフォームとしてBizホスティング Enterprise Cloudを採用しています。最近は国内でうまくいったので、グローバルでクラウドを展開したいというニーズが増えています。また、BCPの観点でオンプレミスのシステムをクラウドに移しています」と林氏は語る。

 Bizホスティング Enterprise Cloudは、VMwareをベースにグローバルで共通仕様のインフラメニューを構築している。メーカー製品とオープンソースの技術を組み合わせ、SDNと連携させるのがNTTコミュニケーションズ流だ。「他社は仮想マシン単位で提供しているのですが、Bizホスティング Enterprise Cloudではリソースを確保した単位で提供しており、ユーザー同士の影響を受けにくい設計運用が可能です」(林氏)とのこと。ネットワークに関しても、ベストエフォートだけではなく、ギャランティ型の回線も用意されており、高い信頼性を実現する。

 また、SDN(Software-Defined Networking)を活用して、オンプレミスからクラウドへの移行を推進するサービスを持っているのも特徴的。「最近ではデータセンター間接続ではなく、クラウドとデータセンター間をつなぎたいというニーズも増えています。一気にクラウドに移行するのは敷居が高いので、まずはコロケーションされたシステムをクラウドとつなぎます。ネットワーク、ホスティング、クラウドなどを1社で提供できるのはユニークです」(林氏)と語る。

基幹システムの利用を前提としたインフラ

 NTTコミュニケーションズでは、SAPやIBMなどの基幹システム構築や運用をSIビジネスとして手がけてきた経緯があり、オンプレミスからクラウドへの移行も信頼できる。林氏は、「2013年9月にSAPの認定インテグレーターになりました。クラウドマイグレーションの専門チームもいますし、クラウドと直結できるということで、VPNのお客様から引き合いをいただくことも増えています」と語る。

 基幹システムのクラウド化はまだまだ端緒に立ったばかりだが、クラウドプロバイダーとしてはやはり信頼性を重視している。その点、ネットアップのストレージは高い信頼性を評価し、基幹システムのインフラの一部で使われている。林氏は、「従来、ホスティングで使っていたお客様が、そのままクラウドで利用してもらうには高いSLAやセキュリティを満たす必要があり、ネットアップのストレージはその要件を満たしていました」と語る。他ベンダーとのコスト面での競争は激しいが、Bizホスティング Enterprise Cloudのインフラでは、信頼性を重視した製品選定を行なったという。

「クラウドプロバイダーには高い信頼性が求められています」(林氏)

 NTTコミュニケーションズの言うSLAとは、単にコミットしたアベイラビリティを割った場合の金銭面の保証のみではない。林氏は、「SLAを割ったら、返金すればよいというわけではなく、どれくらい運用保守体制がしっかりしているかが重要です。グローバルでネットワークとデータセンターを運用しているので、サービス全体の信頼性が高いという評価されることも増えています」と語る。

(次ページ、ネットアップはクラウドプロバイダーに向けてなにができる?)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事