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ハイブリッドクラウド基盤を支える新モデルとソリューションを展開

売り切り型クラウドを手軽に導入できる「Express5800/Cloud Model」

2014年12月03日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月2日、NECはIAサーバー「Express5800シリーズ」の次世代方針に関する発表会を開催した。NEC Cloud IaaS基盤をExpress5800ブランドで提供する「Express5800/CloudModel」が発表されたほか、運用の省力化・効率化を実現する新デザインコンセプト、ハイブリッドクラウド商材などの展開も明らかにされた。

国内でのクラウド移行は必ずしも早くない

 発表会の冒頭に登壇したNEC 執行役員 石井正則氏は、NECのIAサーバー「Express5800シリーズ」が今年20周年を迎えたことに触れ、「お客様の要望を取り入れながら、他社にないこだわりを持ってExpress5800を育て、20年を迎えることができた。おかげさまで国内では18年連続でシェアNo.1をとらせていただいている」とアピールした。

NEC 執行役員 石井正則氏

 昨今、国内でもクラウド市場が拡大を続けているが、石井氏は、2016~2017年のIT投資におけるクラウド比率は全体の1割程度に収まるというIDC Japanの資料を基に「国内が一気にクラウドに行かないという予想を出されている。われわれも従来システムとクラウドの混在が続くと見ている」と語る。こうした中で、いかにユーザーのニーズに添うクラウドを提供するのがベンダーとしての課題だと説明した。「外部保有に適した業務システムからクラウドへの移行は進むが、実際はオンプレミスに残る業務とクラウドとのハイブリッドという形になる」(石井氏)。

今後のICTシステムの方向性

 エンタープライズではすでにプライベートクラウドに進んでいるが、中堅・中小規模の企業はまだまだ仮想化によるシステム統合がメインで、クラウドの波が来るのはまさにこれから。こうした中、「Express5800で築き挙げたパートナーやお客様との信頼性、安心感を保ちつつ、新たな商品を投入する」(石井氏)のが、今回の発表の骨子だ。

「NEC Cloud IaaS」をExpress5800ブランドで提供

 新発表の目玉である「Express5800/CloudModel」は、NECのクラウド基盤である「NEC Cloud IasS」をExpress5800ブランドで提供する新製品だ。NEC プラットフォームビジネス本部長 浅賀 博行氏は「中堅・中小企業のお客様に対して、安心・高品質なクラウドをもっと身近に使ってもらうために製品化した」と説明した。

NEC プラットフォームビジネス本部長 浅賀 博行氏

 今年の4月にスタートしたNEC Cloud IaaSは仮想サーバーやOS、ストレージ、ネットワーク、ファイアウォールなどを統合したクラウドサービス。Express5800/CloudModelは、このNEC Cloud IaaSの仮想サーバーの利用権3年分をパッケージ化し、中堅・中小企業向け1/2Wayサーバーの売れ筋構成から最適な仕様で50モデルをラインナップする。具体的には、CPUやメモリ、OS、ディスク、バックアップの有無などにより、コストパフォーマンスを重視したスタンダードモデルを18種類、高い冗長性を誇るハイアベリラビリティモデルを32種類を用意している。

Express5800/Cloud Modelの概要

 Express5800/CloudModelの特徴として挙げられたのは、手軽にクラウドを導入できる点。パッケージに同梱されたキー情報を登録することで、クラウドのポータルからサーバーを作成し、手軽にクラウドを導入できる。「中堅・中小のお客様はクラウドはまだまだ難しいと思っていらっしゃる。だから、クラウドを意識しないで使えることをコンセプトに据えている」(浅賀氏)。

 また、3年間という利用期間があらかじめ決まっているため、予算が明確化されるのもメリット。「リソースを増やしたり、減らしたりというクラウドならではのメリットはないが、3年間の費用が確実に固定化され、確実に予算化される」(浅賀氏)。さらに、オンプレミス/クラウドのサーバーをクラウドのポータル画面から監視・運用できるのも大きいという。

Express5800/Cloud Modelの特徴

(次ページ、ハイブリッドクラウド商材や新デザインコンセプトも投入)


 

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