ファッションブランドも参入
結局はあの会社からの登場を待つしかない?
2018年には1億1200万台といわれるスマートウォッチ市場を狙うのは、Samsungやソニーといった企業だけではない。スマートフォンとの連携が注目されているため、これらのメーカーの製品に目がいきがちだが、既存の時計メーカー、フィットネスの用途からスポーツやフィットネスブランドもこの市場を狙っている。
時計側では、腕時計ブランドFossilの元社員が立ち上げたMetaもあれば、Swatchは自社の「Swatch Touch」に活動量計を搭載した機種を発表するという。SwatchはAppleと協業との憶測も流れたが、SwatchのCEOはReutersに対し、「大手テクノロジー企業からの誘いもあった」とほのめかしつつ、協業のチャンスをすべて拒否することはないが、「自分たちでもできることがたくさんある」と語っている。これら腕時計メーカーは外観やブランドの面で一般消費者に訴求する可能性がありそうだ。
一方で、フィットネスリストバンド「FuelBand」を一度は打ち切ったNikeは、Samsungと提携を発表した。自社フィットネスアプリ「Nike+」をSamsungのプラットフォーム上で提供するという。
さて、そんな業界が注目しているのはAppleだろう。「iWatch」や「iTime」の憶測が出て久しいが、9月9日のイベントで発表という予想もあれば、Apple情報に精通しているメディアのRe/Codeは2015年との予想を報じた(関連リンク)。AppleのTim Cook氏はそのRe/Codeのイベントでスマートウォッチへの関心を明らかにしており、100人以上が社内でスマートウォッチプロジェクトに関与しているというウワサもある。
余談だが……携帯電話とBluetoothで連携するウェアラブル端末の構想(ブレスレット型やリング型)のプレゼンを私が最初に見たのは2005年のNokiaのプレスイベントだった。実用化に関する質問にまじって、消費者のメリットを問う声があった。これに対し、Nokiaは「市場の可能性を探っている」「こんな使い方もできるようになることを提示したい」といった答えをしていたと記憶している。
アイデアの製品化はもちろん、消費者に受け入れられるための工夫、市場投入のタイミング、マーケティングなど技術以外の部分は難しい。「iPhone」で携帯電話/スマートフォンを変え、「iPod」で音楽プレイヤーを変えたAppleが、この難技をスマートウォッチでも再現するのか、まずは来週に注目だ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
この連載の記事
-
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない - この連載の一覧へ