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YouTubeのオンラインセレブに夢中な米国のティーンたち

2014年08月25日 07時00分更新

文● Stephanie Chan via ReadWrite

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米国のティーンエイジャーはYouTubeのスーパースターに夢中だ。しかし広告主はまだこれを見過ごしてしまっている。

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YouTubeが5月にクリエイター・マーケティングキャンペーンを始めた時、このグーグルの子会社であるビデオサイトは新規の視聴者を期待した。そしてそれ以上に、このサイトから出た有名人のスポンサーが出てくることを期待した。YouTubeは「おい、うちのタレント達を見てくれ。あんた達のブランドにピッタリじゃないか?」といったような呼び掛けを行った。

だが、残念ながらその効果はなかった。少なくとも広告面では。

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ミシェル・ファンのビルボード広告

YouTubeとは対照的に、弊社のサンフランシスコ・オフィスから間近い所にあるミシェル・ファンの巨大な広告板は、彼女のメイクアップアーティストとしての名声を高めると同時に500万以上の購読者を集めた。

数週間後、 YouTubeでお馴染みのロザンナ・パンジーノのゲームと菓子作りのビデオ広告は、このサイトでどんな動画を見る時でも表示されない事はないくらいだ。

ベサニー・モタは十代にしてその買い漁りぶりで600万人の視聴者を獲得し、雑誌 Seventeenの5月号にフルページで広告が載せられた。

偉人ラップ対決シリーズの広告を見ない日はない。YouTubeはW杯の第一試合の最中でもこのラップ対決シリーズのTV放送(広告?)のために大枚を叩いたのだ。

これはYouTubeが広告主にアピールするためのホームビデオなんかではない。このシリーズの商品価値は、この稿で触れる他のシリーズ同様とんでもなく高い。ウィード・アルケイ・アンド・ピールもこのシリーズでパフォーマンスを行った。

YouTubeがスーパースターを生み出そうとした初めての試みは完全に失敗だったわけではない。AdAgeのレポートによれば、このプロモーションは視聴数の増加に貢献した。このキャンペーン以前からあった人気チャンネルと広告主とのパートナーシップの話はまだ進行中という話だ。しかしながら興味を示した広告主が新たに現れたという話はない。

広告主に見過ごされてきた宝の山

YouTubeのタレントたちは何百万ものファンを抱えている。ではなぜ広告主は食いつかないのだろうか? おもうに、彼ら(多分あなたも)はフレディー・ウォンジェナ・マーブルを知らないのだろう。彼らはまだ茶の間でお馴染みの名前ではない。

VidCon

VidCon 2014で行列を作るティーンエイジャー

ビデオゲームタレントのPewDiePieはレンタルビデオ屋やTVで有名というわけではないが、だからといってこのスウェーデン人が大したことないという訳ではない。彼が抱える2900万人の視聴者たちと、YouTubeでもっとも視聴されたチャンネルという評価がそれを物語っている。

彼らYouTubeのスターたちのほとんどは若く、そのファン層は更に若い。YouTubeが彼らの様なローカルから祭り上げられているタレントを主流のメディアに押し上げるハードルはかなり高く、多くの層から冷たい目で見られる事になるだろう。

ビデオサイトというものはペットの動画やドタバタ劇、クッサイホームビデオを投稿するところだという誤解も障壁の1つだ。

これも最近では正しくない。YouTubeタレントたちの影響力はYouTubeはおろかハリウッドの垣根を超えるものもいる。

Variety

Varietyの調査によるティーンに最も人気のあるセレブリティ達

米国のティーンエイジャー達にとって、YouTubeタレントは主流メディアのタレントよりも人気があるというレポートがある。Varietyの投票では、13-18歳はジェニファー・ローレンスやセス・ローガンといったハリウッドのセレブ達より、お笑いコンビのSmoshや、ゲーマーのPewDiePie、映画製作者のTheFineBrosを好むという結果が出た。

YouTubeは間違えたタレントを推しているのか?

まず、YouTubeの広告に関する問題を解決するのは容易だ。このサイトはスポーツゲーム教育子供向けおよび保護者向け番組など幅広いジャンルにおいて、クオリティーの高いコンテンツを抱えている。可能性はほぼ無限と言っても言い。

広告主はこれらプロモーションが弱いチャンネルを見落としており、マーケティングの機会を見逃している。

ブランドの確立はYouTubeタレントの収入を増やす事になる。それは更に良い作品を作る為のインセンティブやリソースとなり、結果ファンを増やし収益も増す事になる。YouTubeが彼らタレントを売り込もうと必死になるのも不思議なことではない。

ミシェル・ファンはかつてランコムとパートナー契約を結び、ベサニー・モタはAeropostaleと衣服のプロモーションを行った。TheFineBrothersはフリスキーと協力し、自分の作品の猫バージョンを制作した。

広告主たちは興味を示していないかも知れないが、YouTubeの視聴数は破竹の勢いで伸びている。

Tubular研究所のチャートによると、この4半期でラップ対決シリーズの視聴数は8.8億から110億に伸びた。Vice Newsのチャンネルは同じ期間で視聴数を8000万近く伸ばした。

これら視聴数の伸びがキャンペーンによるものかどうかは確かめようがない。もしかすると何もしなくてもコンテンツの質によって達成できた数字かも知れない。

YouTubeは今年の後半に行われるクリエイター・マーケティングキャンペーンで推すためのタレントを公表するプランを立てている。これはより一般にアピールできるかどうかのショーケースになるだろう。その時私達は、広告主たちが彼らをどう認知するかを見ることになる。

トップ画像提供:Rosanna Pansino’s YouTube channel

Stephanie Chan
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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