LinkedInが、Contactsアプリを改良した「LinkedIn Connected」というアプリをリリースした
毎朝、携帯を手に取ると、私のホーム画面は通知バッジでいっぱいになっている。私はメールをチェックする前に、こういった受信トレイの片づけから取り掛かる。律儀にというか取りつかれたように、犬の散歩中に、すべての受信トレイを確認していく。
LinkedInのスタンドアローン・アプリ、LinkedIn Contactsのバッジをスワイプするのを私はいつも楽しみにしている。仕事を通じて知り合った友だちからの転職話や仕事の記念日、またニュース記事についてのコメントなどがカスタマイズされ、ニュースレター形式で読めて便利なのだ。
LinkedInはiPhone用のContactsアプリの機能に力を注いでいる。その最新版は「LinkedIn Connected」と改名され、今月App Storeからダウンロードできるようになった。
(編集部注:「LinkedIn Connected」は日本では現在未公開のアプリです)
LinkedInはカードを巧みに使用する
LinkedIn Connectedで最初に気がつくのが、ビジュアルデザインの仕様が変わったことだ。TwitterやTinder、iPhoneでも見られる「カード」形式を採用しているのだ。LinkedIn Contactsでは小さいプロフィール写真の横に紹介文があるだけだったが、Connectedは、友人のニュースがフルスクリーンのカード形式で表示される。
コンタクト情報を検索するインターフェースはそれほど変わっておらず、今までどおりの検索が可能だ。
LinkedInのリレーションシップ製品の責任者、デビッド・ブルーバッハーは、「最新版の更新に対するユーザーからの反応はとても良好です」と語っている。私のように朝の準備をしながら、既存のContactsアプリケーションを使っていた人たちが多くいたのだろう。
今回のConnectedへの更新は、ユーザーがLinkedInを通してメッセージを送り、仕事探し以外での利用が進むことを狙ったものになっている。
もしユーザーが許可を与えさえすれば、ConnectedはiPhoneのカレンダーとも同期することができ、どの日に誰とミーティングをするかを設定したり、相手のLinkedIn情報なども見ることができるようになる(Contactsでも同様のことが可能だったが、ウェブベースのカレンダーしか使えなかった)。
ユーザーと再びつながる
改良版Contacts、すなわちConnectedは病みつきになってしまうアプリケーションで、大成功だと思う。LinkedInはConnectedを利用し、モバイル市場でも成功を収めるかもしれない。
LinkedInは、グーグル、マイクロソフト、フェイスブックなどと人々の職歴情報を奪い合っている。LinkedInのConnectedは、LinkedInだけが持つデータのレイヤーをユーザーのアドレス帳の上に追加する戦略を取っている(LinkedInのウェブサイトでも、既存のContactsの機能とその更新フィードが同じような機能を提供している)。
新しいコネクションの構築や、既存コネクションの強化に利用できるLinkedInのデータは価値が非常に高いものだ。そしてそれを証明する事態が起こっている。あるユーザーたちは、仕事上のコンタクトがスパムに利用されたとしてLinkedInに対して訴訟を起こした。また、LinkedIn Intro(LinkedInデータをメールに表示するサービス)は、プライバシー保護の観点から問題視され、今年3月に終了してしまった。
Conncetedに関して言えば、こういったことはあまり心配しなくてよさそうだが、とても役に立つアプリケーションなので、少し中毒になるかもしれない。
Connectedは、さらに役立つアプリへと進化する、革新的な可能性を秘めている。例えば、映画「プラダを着た悪魔」の中で、ミランダ・プリーストリーのアシスタントが相手の名前と経歴の詳細を彼女の耳元で囁いていたようなことがこのアプリで可能になるかもしれない。
LinkedInの技術部長ヴィノード・ジャヤラムは、Connectedがカレンダーやコンタクトデータを組み合わせて、これから合う人の情報をタイムリーに表示する方法は「予測計算」の一例であり、それはグーグルがGoogle Nowで、Foursquareが位置情報に基づく推薦サービスで行っている方法と似ている、と述べている。
もっと極端に考えるのなら、位置認識バージョンのLinkedIn Connectedがウェアラブル・デバイスとしてデザインされることを想像してみてほしい。耳元でささやくデバイス、または手首につけてアラートがフラッシュするデバイスなどで、あなたは打合せに同席する直前に、参加者全員の情報を知ることができるようになるかもしれない。そういったことが本当に現実のものとなれば、それこそがネットワーキングの真の姿だと言えるだろう。
画像提供(ビジネスカードの画像):Faruk Ateş
Owen Thomas
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら