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プログラミングで女性が世界に出るチャンスを

2014年06月17日 16時00分更新

盛田 諒(Ryo Morita)/アスキークラウド編集部

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 男子生徒がバックストリート・ボーイズのまねをして腰をくねくねさせていたころ、13歳のLinda Liukas(リンダ・リウカス)さんにはもっと大人な趣味があった。アル・ゴア元副大統領に夢中だったのだ。非公式ファンサイトを作るうち、リンダさんはコーディングの楽しさ、世界に向けて自分を表現する楽しさを知った。

 10年が経ち、リンダさんはまつもとゆきひろさんが開発したプログラム言語「Ruby」(ルビー)に出会い、ふたたび夢中になる。まつもとさんの誕生石(7月)から命名されたルビーは、他の言語に比べて格段にプログラミングしやすかった。加えて、初めて会ったコーダーたちの人柄も好きになった。

 「プログラマーと言われて想像したのは、数学を愛する孤独な人たち。だけど実際に会ってみると、世界でもっともあたたかく、優しく、ユーモアがある人たちだと分かったんです」(リンダさん)

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Rails Girls創設者のLinda Liukas

 リンダさんは思った。世界中の女性たちに、自分のアイデアを形にする手段として、プログラミングという方法があることを知ってもらいたい。

 2010年、リンダさんはフィンランドで、ルビーの使い方を教える「Rails Girls」(レイルズ・ガールズ)というボランティア団体の運営を開始した。活動は世界中の支持を受け、いまや180カ国に数万人の参加者がいる。日本では東京・大阪・奈良・名古屋・札幌・松江でイベントを開催。楽天も活動に協力している。

 「日本でも、レイルズ・ガールズに入って未経験からアプリを開発してリリースした人がいます。なぜここまで広がったかといえば、知識を共有しながら各国独自の方法で進められるようにしたからだと思います。それに、誰でも歓迎される世界があると思うと、入っていきやすいですよね」(リンダさん)

 幼少期からプログラミングに触れるきっかけを作りたい。リンダさんは今年1月、子供向けのプログラム教育絵本「Hello, Ruby」(ハロー、ルビー)を出版するため、クラウドファンディングサイトKickstarterで出資者を募り、わずか1カ月で9200人から38万ドル(約3800万円)もの資金調達に成功した。

Cute
「Hello, Ruby」 Kickstarterより

 フィンランドでは現在、2016年をめどにプログラミングの義務教育化も進められている。

 リンダさんと、パートナーのヨハネ・ムッカネンさんは、プログラミングに不慣れな教師向けにプログラミング教育のガイドブック「KOODI 2016」の出版を進めている。日本でもコーディングの義務教育化は進んでいるが、フィンランドではこうした自発的な活動が政府や教師から歓迎されやすいのだという。

 「国がやっていたら時間がかかるでしょう、専門委員会の議論を経て、承認を受け、文書化して……というプロセスが必要だから。すでに運輸通信省と教育省とも話を進めているし、(フィンランドのゲーム会社)ロビオやスーパーセルにも好意的に受け止められているんです」


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