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ライブタイルと通知が常時オンになるのはメリット!

割り切り運用で光る!SIMロックフリーの「Venue 8 Pro」 (2/2)

2014年06月17日 11時00分更新

文● 林佑樹

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200kbpsで使うための工夫

 Windows側の設定では、まずチェックすべきがOneDriveだ。OneDriveの設定を見ると「従量制課金接続」の項目があり、モバイル通信利用時の同期を禁止できる。高速な50MBがOneDriveの動機で使い切られてしまうのはもったいないし、200kbps下で同期が始まると帯域を占有されやすい。「50MB/日コース」での利用であれば、同期は常にオフにしておくのが正解だ。

OneDriveの設定画面。「従量制課金接続」の項目を設定しよう

 それでは、200kbpsの通信速度で何ができるだろうか。まず候補に挙がるアプリケーションが、メールやメッセンジャーだろう。テキストデータはファイルサイズが軽いだけでなく、プッシュ通知もあるため、メールとメッセンジャーだけの使用に絞るのもアリなくらいだ。とすると、SNSが気になってくる。ブラウザからTwitterやFacebookにアクセスするのはとても辛いが、Windowsストアアプリなら多少はマシになる(通信面よりもアプリの少なさのほうがネックだが)。

制限速度になる前のテスト。SPEEDTESTでの結果は、上り0.36Mbps/下り2.53Mbps。上りについてはほぼカタログスペックだった。意外と気にならない速度だが、3G回線の場合はレイテンシィがあるため、LTEと比べるとワンテンポ遅れる感じでウェブが表示される

こちらは200kbps制限の状態。上り0.03Mbps/下り0.05Mbpsになった。カタログスペックよりもかなり低い数値になっているが、これは200kbpsフラットではなく、一定時間内においての通信速度だ。瞬間的には200kbps以上になるときもあれば、逆に10kbpsというシーンもあった。同様に上りも遅くなるため、できることは相当限られる

 Webサイトを閲覧する場合、PCビューだとトップページで500〜600KBほどのサイズが多く、200kbpsで見るのはつらい。User agentを操作してスマホビューを表示させればデータ量はそれよりも軽くなる傾向にあるが、やはり200kbpsでは厳しいだろう。このため、RSSリーダーで見出しとプレビューであとから読む記事を決めておくか、スマホで見てしまったほうが早い。

 また、必要な帯域の少ないSkypeが使えるのではと考えるかもしれないが、オススメはできない。200kbpsフラットでデータが流れるわけではないためカットライン率が高く、素直に電話で話したほうがいいレベルだ。

ASCII.jpのトップページにアクセスした場合、上記状態でしばらく表示が止まるケースが目立った……

WindowsストアアプリにあるTwitter純正クライアントの場合、制限速度下でも表示の遅さは感じなかった。が、投稿はやや時間がかかる。写真は添付しないほうがいい

ウェブブラウズをしながら「メガネケエスRT」でガシガシとタイムラインを流してみたもの。出勤時間ストリームでもWi-Fiと比べての速度差はそれほどなかった。どちらかといえば、ウェブブラウズ時の表示速度がガクンと落ちたほうが気になった

非常時のリモートデスクトップ端末に

 続いてはリモートデスクトップについて。マイクロソフトの標準機能以外にもサードパーティー製にリモートデスクトップアプリケーションが色々あるが、帯域に応じて描画品質を切り替えてくれるタイプなら使用できる。クラウド/オンラインストレージにアップし忘れたファイルを操作する程度なら、多少レスポンスは遅いものの不便ではない。調べた限りではChromeデスクトップは接続に失敗しやすく、TeamViewerは設定を最低にすると比較的OKだった。これは常用というよりは、非常手段としてセットしておくのがいいだろう。

Chromeリモートデスクトップを試してみたところ。接続中のまま20分経過しても状況に変化はなかった

 以上のテスト結果から、モバイル通信可能な「Venue 8 Pro」の場合、ウェブブラウズやSNS、メールに留めるのが無難だとわかった。Windows 8らしさを考えると、ライブタイルと通知が常時オンになるのはメリットだ。新規メールの着信だけでなく、プレビューもできる。またSNSの通知もスマホライクになるため、利便性が高い。さらにRSSリーダーでニュースのヘッドラインの把握も容易になり、帯域を意識すると「Venue 8 Pro」のコストパフォーマンスを高めることができる。

地味に便利なライブタイル。常時接続状態を利用するとした場合、もっともわかりやすい要素だろう

少し表示は遅いが、モバイルルーターに接続することなく地図の確認ができる点も便利

主なスペック
製品名 Venue 8 Pro(3G SIMフリー)
価格 3万9980円(税別)
CPU Atom Z3740D (1.33GHz)
メモリー 2GB
ディスプレー 8型IPSディスプレー(1280×800ドット、10点マルチタッチ)
グラフィックス機能 インテル HD Graphics(CPU内蔵)
ストレージ 64GB HDD
光学式ドライブ -
通信機能 IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェース microUSB
カードスロット microSDカードスロット、マイクロSIMスロット
カメラ 内蔵1.2MピクセルHDウェブカメラ(前面)/5Mピクセル(背面)
サウンド機能 ヘッドホン端子
本体サイズ/重量 約幅216×奥行130×高さ9mm/約395g
OS Windows 8.1(32ビット)
Ofiice Office Home and Business

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