200kbpsで使うための工夫
Windows側の設定では、まずチェックすべきがOneDriveだ。OneDriveの設定を見ると「従量制課金接続」の項目があり、モバイル通信利用時の同期を禁止できる。高速な50MBがOneDriveの動機で使い切られてしまうのはもったいないし、200kbps下で同期が始まると帯域を占有されやすい。「50MB/日コース」での利用であれば、同期は常にオフにしておくのが正解だ。
それでは、200kbpsの通信速度で何ができるだろうか。まず候補に挙がるアプリケーションが、メールやメッセンジャーだろう。テキストデータはファイルサイズが軽いだけでなく、プッシュ通知もあるため、メールとメッセンジャーだけの使用に絞るのもアリなくらいだ。とすると、SNSが気になってくる。ブラウザからTwitterやFacebookにアクセスするのはとても辛いが、Windowsストアアプリなら多少はマシになる(通信面よりもアプリの少なさのほうがネックだが)。
Webサイトを閲覧する場合、PCビューだとトップページで500〜600KBほどのサイズが多く、200kbpsで見るのはつらい。User agentを操作してスマホビューを表示させればデータ量はそれよりも軽くなる傾向にあるが、やはり200kbpsでは厳しいだろう。このため、RSSリーダーで見出しとプレビューであとから読む記事を決めておくか、スマホで見てしまったほうが早い。
また、必要な帯域の少ないSkypeが使えるのではと考えるかもしれないが、オススメはできない。200kbpsフラットでデータが流れるわけではないためカットライン率が高く、素直に電話で話したほうがいいレベルだ。
非常時のリモートデスクトップ端末に
続いてはリモートデスクトップについて。マイクロソフトの標準機能以外にもサードパーティー製にリモートデスクトップアプリケーションが色々あるが、帯域に応じて描画品質を切り替えてくれるタイプなら使用できる。クラウド/オンラインストレージにアップし忘れたファイルを操作する程度なら、多少レスポンスは遅いものの不便ではない。調べた限りではChromeデスクトップは接続に失敗しやすく、TeamViewerは設定を最低にすると比較的OKだった。これは常用というよりは、非常手段としてセットしておくのがいいだろう。
以上のテスト結果から、モバイル通信可能な「Venue 8 Pro」の場合、ウェブブラウズやSNS、メールに留めるのが無難だとわかった。Windows 8らしさを考えると、ライブタイルと通知が常時オンになるのはメリットだ。新規メールの着信だけでなく、プレビューもできる。またSNSの通知もスマホライクになるため、利便性が高い。さらにRSSリーダーでニュースのヘッドラインの把握も容易になり、帯域を意識すると「Venue 8 Pro」のコストパフォーマンスを高めることができる。
主なスペック | |
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製品名 | Venue 8 Pro(3G SIMフリー) |
価格 | 3万9980円(税別) |
CPU | Atom Z3740D (1.33GHz) |
メモリー | 2GB |
ディスプレー | 8型IPSディスプレー(1280×800ドット、10点マルチタッチ) |
グラフィックス機能 | インテル HD Graphics(CPU内蔵) |
ストレージ | 64GB HDD |
光学式ドライブ | - |
通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | microUSB |
カードスロット | microSDカードスロット、マイクロSIMスロット |
カメラ | 内蔵1.2MピクセルHDウェブカメラ(前面)/5Mピクセル(背面) |
サウンド機能 | ヘッドホン端子 |
本体サイズ/重量 | 約幅216×奥行130×高さ9mm/約395g |
OS | Windows 8.1(32ビット) |
Ofiice | Office Home and Business |