訪日外国人が来店時に自国(海外)発行のクレジットカードで支払う場合、支払い時は円建てで行うのが一般的だ。しかし、ここへきて海外(自国)通貨建てにも対応しようという動きが広がりつつある。
新宿駅(東京)に隣接するショッピングビルのFlags(フラッグス)は9日、訪日外国人対象の外貨建てカード決済サービス「DCC(ダイレクト・カレンシー・コンバージョン)」をスタートした。同ビル内のテナント全店で、訪日外国人は自国(海外)発行のVisaもしくはMasterCardを利用する際、円建てと自国通貨建ての2種類から決済方法を選択できる。
対応通貨は米ドル、韓国ウォン、豪ドル、台湾ドル、ユーロ、香港ドル、シンガポールドル、英ポンド、タイバーツ、カナダドルの10通貨だ。同サービスは、小田急グループでフラッグスビスを運営するフラッグスと、三菱UFJニコスが共同で取り扱う。
同様に伊藤忠商事とユーシーカードも6月より、英国トラべレックスグループが提供する訪日外国人向け外貨建てカード決済サービス「Travelex Currency Select(トラべレックス・カレンシー・セレクト)」の日本国内への展開を開始している。
円建ての場合、クレジットカードで支払う際にいったんは円で決済を行い、追って為替レートにあわせて自国(海外)通貨に換算され、請求を受ける。一方で外貨建てでは、利用時に日本円ではなく自国通貨で決済できるため、その後の為替変動の影響を受ける心配がなく、その場で支払額を把握することが可能。訪日外国人にとってはメリットが大きく、外貨建てカード決済への対応は訪日外国人の来店を促す施策の1つとなる。