未来の宇宙港は、ニューメキシコ州のはずれにひっそりと佇んでいた。
ニューメキシコ州の広大な砂漠には、びっくりするようなものがたくさん潜んでいる。世界初の商業用宇宙港「スペースポート・アメリカ」もその一つだ。
スペースポート・アメリカ。その名前が示す通り、世界初の、宇宙旅行のためのエアポートである。
ニューメキシコ中南部に広がる広大な砂漠は、様々な極秘プロジェクト（無人航空機の飛行テストや精密誘導ミサイルの打ち上げ、その他我々があずかり知らぬXファイル的なプロジェクトだ）の本拠地である。しかしスペースポート・アメリカは親切にもReadWriteに対してそのセキュリティゲートを開き、中を覗くことを許してくれた。
スペースポート・アメリカは、ヴァージン・ギャラクティックの中枢拠点だ。ヴァージン・グループの会長リチャード・ブランソンはこの宇宙港を使って、宇宙飛行士ではない一般の金持ちを弾道飛行で宇宙に送り出そうとしている。イーロン・マスクが設立したスペースXも、スペースポート・アメリカと利用契約を結んでいる。
我々取材スタッフ一行は、ニューメキシコの町トゥルース・オア・コンシクエンシーズからトラックの後に従って延々と30マイルの退屈な道のりを走った。時々、雑なロケットの絵が描かれた道路標識を目にはしたが、先導なしにこの場所に辿り着くのはほぼ不可能だったろう。
スペースポート・アメリカは見かけによらず、一般に開かれた場所だった。民間商業宇宙飛行セクターであるスペースポート・アメリカは、ニューメキシコ州と協力して2014年秋にビジターセンターを開設し、納税者たちに向けて門戸を開くつもりのようだ（その頃までにはもうちょっとマシな看板もできているだろう）。
なんと、我々の他にツアーバスも来ていた。
残念ながらヴァージン・ギャラクティックの拠点となる建造物はあまり開放的ではなかった。現時点ではまだ建築中の段階で、ヴァージンのチームがテストやら何やらで出たり入ったりしていた。エグゼクティブ・ディレクターのクリスティン・アンダーソンは、ヴァージン・ギャラクティックはスペースポート・アメリカと長期契約を結んでいる筆頭顧客なのだと説明してくれた。彼らが町を離れている間、関係者以外は付近を歩き回ることが許されていないのだという。
しかし、見どころは他にもたくさんあった。スペースポート・アメリカのコンパクトで効率的なコマンドセンター、1万2千フィートの「spaceway（宇宙路）」、間近で見るヴァージンのLEED認定を受けたデュアル格納庫/ターミナルは、機能的にも外観的にも砂漠の風景にしっくりと溶け込んでいた。
スペースポート・アメリカのエグゼクティブ・ディレクター、クリスティン・アンダーソンは、我々を管制センターの内部へと案内してくれた。公的な宇宙ミッションやハリウッド映画から我々が想像していたイメージからは格段にスケールダウンされたリアリティが、そこにはあった。
スペースポート・アメリカが、アメリカ政府の広大な軍事試験場の近くにあるのは偶然の一致ではない。スペースポート・アメリカは、国内最大の飛行禁止空域であるアメリカ陸軍ホワイトサンズ・ミサイル発射上と緊密に連携して、民間飛行機のいない空域を共有しているのだ。
以下は、地味な砂漠の環境に馴染むようにデザインされた、ヴァージン・ギャラクティックの中枢拠点外観である。
この滑走路のような区画は、ヴァージン・ギャラクティックの様々な宇宙船に対応したものだ。例えば、水平に離陸する飛行機から発射される「SpaceShipTwo」のような宇宙船である。
画像提供：Taylor Hatmaker
Taylor Hatmaker
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら
