富士通は、2014年5月15日、16日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで、同社最大のプライベートイベント「富士通フォーラム2014」を開催した。
「Human Centric Innovation」をテーマに、12の特別講演、74のセミナー、4つの特別セミナーを用意。さらに、展示会場には、富士通の最新技術を活用した製品やサービスが一堂に展示された。
開催2日目となる5月16日午前9時30分からは、「スマートデバイスとウェアラブル端末が創るワークスタイル変革」に、PC事業やスマートフォン事業を統括する富士通の齋藤邦彰執行役員常務が講演。日経BPの藤田憲治執行役員とともに、タブレットとスマートフォンスといったスマートデバイス、サービスを連携させたビジネスでの利活用事例、またウェアラブル端末などの次世代ユビキタスフロントによるワークスタイル変革を紹介した。
スマートデバイスの課題と富士通の取り組み
日経BPの藤田執行役員は、「スマートデバイスは、従来のPCを凌駕する性能に加えて、強力な通信機能とネットワークサービスとを組み合わせたときの相性の良さがある。多くの人が電車の中でもスマートフォンやタブレットを利用している。これまでIT業界は様々なデバイスに挑戦しては失敗してきたが、スマートデバイスは本物である。法人におけるスマートデバイスの活用が盛り上がっている」とした。だが、「企業で本格的に利用するといった場合には、自社内のニーズにフィットする端末が見つからない、基幹業務と連携したときにセキュリティリスクにどう対応するか、デバイスの管理をどうするかといった課題がある」と指摘した。
これに対して齋藤執行役員常務は、「富士通はこうした課題に対して、ユニークなデバイスと高いカスタマイズ性、高度なセキュリティソリューション、運用負荷を軽減するサービスプラットフォームによって解決を図る」として、具体的な導入事例を交えながら紹介した。
サークルKサンクスでは、オフィスや店舗内に加えて外出先でも利用しやすいように2in1型のノートPCを導入したこと、日本生命、第一生命、明治安田生命といった生命保険会社向けには、各生命保険会社の要求仕様にあわせたデバイスおよびソリューションを提供し、この分野においては85%のシェアを獲得していることを明かした。また、ふくおかフィナンシャルグループ向けには、手のひら静脈センサーを搭載したデバイスを提供しセキュリティを強化したこと、商工会連合会では『Mobile SUITE』によって経営指導員の指導状況を管理するソリューションを提案し、効率的な管理環境を実現した例を挙げた。
「富士通は、自前の開発部隊を持ち、製造工場においてカスタマイズ対応ができる体制が大きな強みになっている。これらの事例はまだごく一部のものである」とした。