アマゾン ウェブ サービス(AWS)は、昨年(2013年)11月から限定プレビューサービスとして提供してきた「Amazon AppStream」サービスについて、機能を追加したうえですべての開発者への提供を3月19日から開始した。
「Amazon AppStream」は、幅広いPC/スマートデバイスのプラットフォームに対応した、3Dゲームアプリや高画質インタラクティブアプリの開発を支援する新サービス。昨年の「AWS re:Invent 2013」で発表され、一部開発者にプレビューサービスが提供されていた(関連記事)。
AppStreamでは、アプリケーションをAWSクラウド側の「Amazon EC2」インスタンス(GPU搭載のg2インスタンスタイプ)のWindows Server 2008 R2環境で実行し、その実行結果(ビデオ+オーディオ)だけをクライアント側にストリーミングする。一方でクライアント側からは、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力がEC2インスタンス側に送信される。
当然ながら、EC2とほかのAWSリソース(Amazon S3、RDS、DynamoDB、ElastiCacheなど)との連携も可能だ。こうした仕組みにより、クライアント側の能力を問わず、低レイテンシのアプリケーション実行を可能にする。
今回の正式サービス開始に合わせ、限定プレビューサービス期間中のフィードバックに基づく幾つかの機能追加が行われた。対応するクライアントプラットフォームにMacが加わったほか、クライアント作成時のSDKバージョンを検出して互換性のあるバックエンドサービスを自動的に起動する機能も新たに提供される。またクライアントSDKやスタートガイドが改良されたとしている。
AppStreamの利用料金は、1時間あたり0.83ドル(3月末までの消費税込価格)。この使用時間は、複数のユーザーが実行するストリーミングセッションの使用時間を足し合わせた総使用時間を指す。たとえばユーザーAが45分30秒、ユーザーBが120分20秒を使った場合は、合計165分50秒(2.764時間)に相当する。
なお、上記の利用料金には、ストリーミングアプリケーションの実行に必要なコンピューティングリソースのすべて、Windowsライセンスの費用、およびストリーミングに使用する帯域幅が含まれる。またサービス開始から1年間は、月間20時間までは無料となる。