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iPhone 5s販売で問われるドコモの真価

2013年09月19日 07時00分更新

盛田 諒(Ryo Morita)/アスキークラウド編集部

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 NTTドコモのiPhone販売を受け、アプリメーカーは他キャリアからドコモへの「乗り換え対策」に追われている。

 ガンホー・オンライン・エンターテインメントは12日、スマホ用ゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)のデータをOSが異なるスマホ間で引き継げる仕組みを月内に導入すると発表。従来AndroidからiPhoneにデータを引き継げなかったが、ドコモのiPhone発売を機に、Androidからの乗り換え需要に対応するという。

 裏を返せば、スマホビジネスの主役はアプリということだ。ハードに求められたのは多様性ではなく互換性。「LINE」に「パズドラ」、どんなスマホ、どんなOSであっても動くアプリが伸びてきた。

 ハードは実際、元気がない。ツートップ戦略を進めてきたドコモだが、BCNによれば7~8月のスマホ販売台数は前年比38.8%減。KDDIとソフトバンクを足した全キャリアで見ても、7月は19%減、8月は9.4%減とマイナス続きだった。

 一方、元気なのはアプリとサービスだ。日本のスマホブーム牽引に一役買ってきたソーシャルメディアのツイッターは12日、「上場に向けてS1(申請書類)をSECに非公開で提出した」と公式アカウントで発表している。

ツイッターは287億円の広告売り上げをひっさげて上場見込み

 ツイッターの収益源は広告だ。2012年、ツイッターの広告事業は前年比2.1倍の2億9000万ドル(287億円)。今期は5億8000万ドルと倍増を見込んでいる。

 1999年、ドコモはiモードを中心に携帯電話事業を躍進させた。携帯電話をインターネットにつながるモバイルコンピューターとして販売したことで、業界を一気に成長させたが、2002年以降の連結業績は緩やかな下降傾向にある。

 近年、ドコモ成長鈍化の一因を担っているのはスマホとさえ言われている。

 端末の進化と通信速度の向上でデータ通信量は増えていくが、通信料金は定額制のため収益増にはつなげられない。スマホのコモディティ化が進み、ハードの売価が下がっていくにも関わらず、販売奨励金に代表されるハード販売コストはかかり続ける。

dマーケット

 ドコモは現在、ドコモショップを核としたハード中心の事業モデルから、アプリ・サービスを束ねるプラットフォーム型の事業モデルへと、ビジネスモデルの変革を進めている。有機野菜の販売を手がける「らでぃっしゅぼーや」の子会社化、健康器具大手オムロンとの提携などは、脱ハード依存に向けた経営改革の一環だ。

 そんなドコモにとってiPhoneは、単なるスマホ時代のキーパーツでしかない。重要なのはiPhoneを売ることではなく、利用者にiPhoneで何を使ってもらうかだ。

 ドコモのスマホ向けサービスを集めた「dマーケット」は言ってみればiモードのスマホ版。NTTドコモ ビジネス基盤担当 斉藤剛部長は当誌10月号で取材に答え、アマゾンなどさまざまなプレーヤーが先行するECの現況から、「日本市場に合ったサービスを提供したい」と話している。iPhone発売以来、ソフトバンクはたびたびドコモを挑発してきたが、ドコモには会員数450万人超の「dビデオ」(iPhoneでは10月10日に開始予定)、会員数100万人超の「dアニメストア」(同 11月8日予定)など、好調なサービスの実装が控えている(サービス実装予定一覧)。ドコモの反撃はこれからだ。

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