The CARDって何? というオッサン未満世代に
カード型データベースのよさを説く(笑)
まぁどうでもいい話だが、筆者はPC-9801用のDOS版からのThe CARDの愛用者だった(たしかVMかVXごろ)。っつーかアスキーに勤めてて「ソフトくれよ!」ってお願いしたら「お前出版だけどプログラム書けるし、デバッグに協力するならね♪」というバーター取引でもらったモン(笑)。しかもビジネスショーでお客さんに機能説明する要員としても借り出され、ユーザーじゃなくて売る立場にもいたという経験がある。
さてパソコンといえばNECのPC-9801シリーズだった時代は、ワープロは一太郎、表計算はロータス1-2-3(アスキーはMultiplan(後のExcel)っていうの売ってたけど負けてたのは内緒)、データベースはThe CARDというほど、人気で使いやすいビジネスソフト3種の神器だった。
そんな時代にThe CARDが売れまくったのには理由がある。1つは、カード型データベースがジャストフィットするユーザーが多かったという点だ。よっぽどの大企業でなければ、顧客管理、社員名簿、在庫管理など、管理する件数や検索速度からみてもスタンドアローンのパソコンと数10MBのハードディスクがあれば十分なのだ。
現在はパーソナルのデータベースといえばAccessかExcelを使うことになるが、どっちも帯に短したすきに長し状態だ。Accessを使うようなデータベースは、商品をバーコードで管理するようなシステムや、商品と倉庫などの拠点が多数あって複雑に連携している場合ぐらい。
ましてやOracleとなれば、社内で何人もが同時に検索・入力するするような基幹業務や、マーケティングなどで複雑な検索条件を瞬時に検索しなければらない場合ぐらいしかない。が、オーバースペックすぎるデータベースを持っている会社も見かける。
またThe CARDは国産のデータベースという点でも賢かった。当時のデータベースソフトといえばアメリカ製で、全角文字を使う日本独特の文化はまったく無視されていた。だから数字の「1」(全角)と「1」(半角)、漢数字の「一」は別物扱い。
筆者の記憶が正しければ、The CARDは、これらを同一文字とみなす「ファジー検索」(いまでいうあいまい検索だが、当時はファジーといってた気がする……)ができたのだ。なので、ある会社の「第1営業部」の人を検索すると、名刺通りに「第一営業部」と入力されていた場合でも、「第1営業部」と全角で入力してあっても検索キーにヒットして便利だったのを覚えている。
もし便利なカード型データベースがあれば、大半の人にジャストフィットするだけでなく、Accessより簡単にExcelより便利に使えるのだが、なぜか市場ではみかけることがない。