肩書きやキャリアを越えた魅力
特筆すべきは、参加者の肩書きを越えた人間の魅力です。専門分野も掘り下げて語ることができるだけでなく、ユーモアもあるし、みんなキラキラしている。きっと年頃だったら、みんなと恋愛したくなってしまうような、そんな魅力に溢れています。知的にも感情的にもクラクラして、夕方、セッションは終わり。次に近くの長泉寺で住職の講話の後「あぁ、充実したイベントだった!宿でフロでも…」と思いきや、実はこのイベント、日が暮れてからが本番でもあります。
みんなで暗闇と大音響のロックフェスにゴー!
第二会場は、そこからバスで40分ほどの「こだまの森」でおこなわれるTAICOCLUB ‘13。知る人ぞ知る、夏の野外ロック・エレクトロニカのフェス。標高1100mの山の中での20時間連続のライブに1万人を超える観客が集まります。世界中から厳選されたアーティストとPAの遠慮のない音響、それを受け止めてしまう山の樹々に、まず感動。光といい音といい、まるで映画『未知との遭遇』の世界です。
道に溢れる群衆のせいもあり、チャーターしたバスは、深夜1時と3時、明朝の6時の便のみ。山に残るか、宿に帰るかを自分の体力と気力で決めるのがおもしろい。
ライブの合間に、19人のベースキャンプで、寒さを耐えながら、暗闇での笑いを交えたオフレコのトークが盛り上がります。山の中なので、Wi-Fiはありませんが、携帯キャリアの中継車も出動。1万人の群衆の中、それぞれの参加者がSNSなどで「今どこ?」なんて連絡を取り合います。なるほど、携帯のテクノロジーが北欧で育った理由が少しわかりました。
結局、筆者は朝まで山で過ごして、6時のバスで宿に帰って2時間ほど仮眠。ランチでは緑に囲まれたカフェで大月信彦氏(株式会社ARCO代表)が最新の電子書籍のプレゼンとデモ。帰りのバスでは7時間の渋滞でしたが、バスの中はまたセッションで時間が足りないくらい。このメンバーなら渋滞でさえラブ。「きっと、こんな人たちが未来の日本を動かしたり、世界で活躍するのだなぁ…」と想像しました。同時に、価値ある人脈とは「この人たちとなら、いつまでも話していたい。信用できる」という恋愛に似た感覚であることに気がついたわけです。
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