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モバイルOS第三勢力の1つ「Jolla」のスマホが初登場

2013年05月21日 19時30分更新

文● 末岡洋子

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 元Nokiaで「MeeGo」開発を行っていたチームが中心となって立ち上げたベンチャー、Jollaは5月20日に初のスマートフォンを発表。予約受付を開始した。予想価格は399.99ユーロ。MeeGoの後を継ぐ「Sailfish OS」をベースとし、Androidアプリとの互換性もあるという。「新しい動きを起こそう」とJollaの共同創業者、Marc Dillon氏は呼びかけている。

 Jollaは2012年に正式に立ち上がった携帯電話企業で、Sailfish OSの開発、Sailfish OSベースのスマートフォンの開発、そしてSailfish OSライセンスの3つを事業とする。Nokiaが「Windows Phone」に戦略変更する前にスマートフォンOSとして採用していた「MeeGo」のチームが中核に入っている。

 Jolla初のスマートフォンは、4.2型の“Estrade”画面と8メガピクセルカメラを持つ。デュアルコアプロセッサーを搭載、16GBの内部ストレージを持ちmicroSDカードスロット、取り替え可能なバッテリーも備える。画像を見たところ「Nokia N9」(Nokiaが発売した最初で(おそらく)最後のMeeGoスマホ)を思わせる角張った長方形の形で、“The Other Half”と呼ぶ着せ替え可能な背面のパネルを持つ。Jollaによると、どのパネルを装着しているかでOSのアンビアンスや機能が変わるという。

デザイン的にはかなり魅力的!?

 Sailfish OSは、軽量のモバイルLinuxの「Mer」を利用したモバイルOS。MerはMeeGoを土台としており、互換性レイヤーを利用してAndroidアプリケーションも動くという。「次世代のユーザー体験」として、アイコンのタップではなくジェスチャーコントロールや押すと触感のあるハプティックを利用したタッチ操作などを利用して、直感的に操作できるという。UIはシンプルさとデザインを特徴とし、操作の手間を簡素化する。

 また、Webサイトにてプリオーダーが開始されている。限定版のJollaスマホ、限定版の背面パネル、Tシャツ、Jolla購入に利用できる100ユーロ相当のバウチャー付きなど3種類の選択肢を用意している。Jollaによると、出荷は2013年末を目標にしており、まずは欧州諸国、その後他の地域に拡大するという。

 2012年頃から、Androidの独占に対抗する第3のモバイルOSの動きが見られ、今年2月のMobile World CongressではJollaのほか、Mozillaの「Firefox OS」、IntelとSamsungが中心の「Tizen」、それに「Ubuntu」の英Canonicalなどの新興勢力が計画を発表した。Firefox OSは、4月にスペインのGeeksphoneから開発者向けのFirefox OS Developer Previewが発売されている。

 Jollaのターゲットは人とは違うものを使いたい人向けで、Dillon氏はアプリ開発者やデザイナーに動きに参加するよう呼びかけている。


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