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新しいモバイルOS&スマホ「Jolla」が目指すものは何か?

2014年02月03日 20時15分更新

文● 末岡洋子

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 2013年末、フィンランドで新しいスマートフォン「Jolla」が登場した。JollaはNokiaで「MeeGo」を開発していたチームが立ち上げたベンチャーで、洗練されたUI、高度なマルチタスク、カバーによるカスタマイズなどをひっさげスマートフォン市場に乗り込む。JollaのCOO、Marc Dillon氏は「新しい選択肢を提供する」と意気込んでいる。1月末にフィンランド・ヘルシンキにあるJolla本社でDillon氏に話を聞いた。

今がとてもハッピーだと語るJolla COOのMarc Dillon氏。「我々は自分たちが好きなこと、得意なことをやっている。これは最高の報酬だ」

新スマホ「Jolla」はフィンランドのキャリアからと
欧州向けにウェブ上で販売

――11月末にフィンランドのDNAから最初のスマートフォンが発売されました。販売台数など、これまでの経過について教えてください。

 DNA(フィンランドのキャリア)から発売されたほか、Jollaのウェブサイトでは欧州全域からの注文を受け付けている。台数は公開していないが、DNAは12月の月間販売台数でJollaがiPhone(「iPhone 5c」「iPhone 5s」)を上回る台数を販売したと発表している。

Jollaはフィンランドのキャリアからも発売されている。ヘルシンキ市内にあるDNAショップで販売されている様子

――発売後、バグが問題となりました。これを受け、DNAはコンシューマーに対し「ベータ」としてJollaを説明しています。

 Sailfish OSは新しいOSで、われわれに限らず新しいプラットフォームに問題はつきもの。(バグよりも)重大なことは、我々は設定した時期通りに製品を出したということ。発売時にはすでにアップデートの準備を開始しており、最初のフィードバックを得て、なにをアップデートに入れるべきかを決めることができた。発売以来、ソフトウェアアップデートを4回行なっており、間もなく5回目のアップデートを配布する。発売を遅らせた場合フィードバックをたくさん得られず、その方が問題だ。

 重視していたのは、公開した予定通りに製品を発売すること。それにあたり、社内ではスケジュール主導の作業をしていた。私はこの業界に23年おり、Jollaは自分にとって13台目の携帯電話となる。発売が遅れたものは何台もある。

 厳密にはJollaは1週間遅れたが、実は2月の「Mobile World Congress」のときにに予定していたST-Ericssonのチップセットが先方の事情で手に入らないことになり、4~5月に大幅に作り直さなければならなかった。チップセット、エンジン、ソフトウェアアーキテクチャなどすべてを変更した。つまりJollaは実質6ヵ月で仕上げたことになる。このスピードにとても満足している。

――アプリのエコシステムは? アプリストアではロシアのYandexと提携して、Androidアプリストアを利用していますね。

 Jollaでは「Store」というアプリストアを持つ。正確に把握していないがかなりの数のアプリがある。指摘通り、Yandexと提携して、YandexのAndroidアプリストアを利用しているが、標準的なAndroidアプリはそのまま動くのでJollaのユーザーはさまざまなアプリを動かしている。

 端末に統合しているTwitterはTwitterフィードを統合したが、ネイティブのクライアントはまだ。Twitter、Instagram、Facebookなど大手のアプリの多くがHTML5をプッシュしている。販売台数がそれなりになれば、ネイティブ対応が進むだろう。

背面カバーを取り替えることで
ソフトウェアの動作を変える「Other Half」

――Other Half(取り替え可能な背面パネル。パネルに合わせて、ソフトの機能も変えられる)は他のスマートフォンにはないJollaの特徴ですが、ビジネスモデルについて教えてください。サードパーティー製のOther Halfが登場する予定は?

 Other Halfは一種の端末のカバーだがチップが搭載されており、装着すると端末側のソフトウェアをアップデートする。企業やブランドはこれを利用して端末をカスタマイズできる。たとえば、スマートフォンのバックグラウンドや色を変えたり、自分たちのコンテンツをホーム画面に加えるなどのことができる。

Other Halfを外したところ

 我々は企業がOther Halfを容易に提供できるSDKを用意している。これを利用して、例えば小売店なら、顧客がこれを装着して自社のカタログを携帯電話で閲覧できるようにする、ゲームアプリ企業だったらアプリストアからそのゲームを無料でダウンロードできるようにするなどのことが可能だ。ユーザーとのコミュニケーション促進に役立てて顧客関係を管理できる。

 洋服のブランドに好みのブランドがあるように、特定のブランドが好きな人はその会社の提供するOther Halfを持ちたいと思うだろう。「Angry Birds」のファンはゲームをダウンロードしてプレイしているが、その体験は携帯電話の中だけだ。

 一方でAngry Birdsのぬいぐるみや文具などの商品も売れており、ファンは物理世界でキャラクターを持ちたいと思っている。Other Halfにより、企業やブランドはロゴやデザインを施したカバー(ハードウェア側)とソフトウェアとの両方でブランディングを行なうことができる。スマートフォンのケースはたくさんあるがソフトウェアまでカスタマイズできるものはなく、ハードウェアとソフトウェアのコネクションがない。ここを変えることができる。

 このほかの利用方法として、企業が従業員向けに配布する例も考えられる。たとえば、Other Halfをセキュリティトークンとして利用し、装着するとVPNにアクセスできる使い方が考えられる。仕事が終わった後や休暇中はカバーを外して個人端末として利用できる。セキュリティーとしてだけではなく、Other Halfを付けたら業務で利用する特定のアプリが動くようにするなどの利用のしかたもあるだろう。可能性は無限だ。

 最初の端末を購入した人には特製Other Halfを用意したが、DNAで販売されているOther Halfもある。外部企業とも話を進めているが、まだ正式に発表できない段階だ。

――大手小売業やブランドからOther Halfが登場する可能性は?

 大手小売業とも話をしているが、我々はコンバージェンスでの利用にフォーカスしている。カメラ、携帯電話、タブレット、TVなど、メーカーは複数分野で製品を持っているが、同じOSやエコシステムではないことがあり、製品をフルに活用できていない。(Sailfish OSの前身である)MeeGoはこのような利用を想定して設計されたOSで、Sailfish OSもこれを引き継いでいる。異なるプロセッサー、さまざまな画面サイズで簡単に動く。

 Sailfish OSにはアプリケーションカバー(タイル)単位でアプリケーションを動かすことができるマルチタスク機能を持つが、このマルチタスクと拡張性のあるUIを利用して、TVを見ながらさまざまなアプリケーションを動かすなどのことができる。

ヘルシンキにあるJolla本社

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