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アスキー新書『これからの広告人へ』刊行記念インタビュー

もっともっと熱気あふれる広告人になれ!

2013年02月16日 14時00分更新

文● アスキー新書編集部

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優れた広告人になるための条件とは?

――これからの広告人はどうあるべきなんですか?

笠松 本の中には、優れた広告人になるための条件を色々と書きました。ただ、すべてができる必要はないと思います。

 マネジメントの原則で言えば、100人のスタッフがいたら、100人が同じくらいの能力をバランスよく持っている方が、組織としては機能しやすいはずです。しかし、少なくとも広告業界に関して言えば、各自がすごく尖っていて、他の誰にも負けないものを持っている人たちが集まってる方が、面白いものを作れるんじゃないかと思います。100人が全く違った武器を持ち合うような感じで。

 とにかく前向きにパワフルに物事を進められる人や、地味だけどひとつの事に集中して打ち込める人、天然でボケてそうなんだけど、ここ一番ですごい発想を出せる人、とか。そういいった人たちが集まって、初めて面白いものができるんじゃないかな、と思います。

――個性のぶつかり合いが面白いものを作る?

笠松 そのとおりです。しかし、組織が個性の強い人たちを管理できなくなっているのかもしれない。社会にルールが増えすぎたています。確かにコンプライアンスは重要です。パワハラやセクハラもあってはならない。

 でも、あえて誤解を恐れずに言うなら、面白いものを作ろうとしてるときは、上司とか部下とか、男とか女とか関係なく、熱い思いで力を合わせなきゃいけない。そういうルールで守らないとやっていけないような人たちが増えると、組織がどんどん萎縮していって、お行儀のいいものしか作れなくなってしまう。

――どんな人にこの本を読んでほしいですか?

笠松 広告業界を志す学生さんや、現役で働く広告人はもちろん、PR会社やコンサルタント、一般企業のマーケティング担当者などにも読んでいただければ。僕なりの仕事術も盛り込んであるので、一般のビジネスマンにも仕事を進める上でのヒントになることは多いと思います。

 僕が電通と博報堂を経て、イグナイトという会社を立ち上げたのも、まったく新しい広告人の働き方、お金の稼ぎ方を考えるためです。

 それが目一杯楽しい仕事をさせてもらった既存の広告会社をより盛り上げることになり、こんな魅力的な業界を作り上げた、先人への恩返しになると思っています。この本を読んで、より多くの優秀な広告人が増えてくれれば、それ以上の喜びはありません。

 多くの人に広告の仕事の面白さを伝えるために、僕が知っていることを書きましたが、どうしても本には書けない事例や事件、事故もあります。もし興味があったら、僕に連絡してください。こっそりお話しできるかもしれません(笑)。

笠松良彦(かさまつ・よしひこ)氏プロフィール

1964年生まれ。慶応義塾大学卒。日本電気株式会社、株式会社博報堂、株式会社電通を経て、2005年に電通と株式会社リクルートのジョイントベンチャーとして、株式会社メディア・シェイカーズを設立し、フリーマガジン『R25』事業を手掛ける。2010年には、トップマネジメント層が抱えるコミュニケーション領域における企業内外のあらゆる課題に対応するため株式会社イグナイトを設立。


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