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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第9回

ツルピカじゃダメ 人気SFの宇宙船が汚れてる理由

2013年01月25日 09時00分更新

文● 前田知洋

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ノイズをデザインする

 長いスパンでファンを獲得しているSF映画『スター・ウォーズ』。そこに登場する戦闘機や宇宙船の外観は傷や錆、排気のススけなどの塗装がほどこされている。「ウェザリング(汚し塗装)」「エイジング(経年変化)」と呼ばれる表現は、SF映画を荒唐無稽な夢物語の世界ではなく、観客に本物らしさを感じさせる効果がある。

計算されたノイズが人を魅了する

 某大型テーマパークでも、数十年前に作られ、風雨にさらされたような「エイジング」の美術塗装が建物に施されている。エンターテイメントやアートの世界だけでなく、プロダクツでもそうしたジャンルが確立しつつある。ファッション・ブランドでは古く着こなしたかのようなジーンズが人気で、中にはショットガンで穴を開けたようなモノもある。

 ツルツルでピカピカの新品であることが主流だった時代から、人為的にほどこされた汚れや経年変化などの「計算されたノイズ」に人々が魅了される時代になってきた。今回はその理由を探求してみようと思う。

実在しないキャラクターもウェザリングによる塗装が現実味をあたえる。 © Michael Neel from Knoxville, TN, USA(CC2.0)

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