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2年連続の女王戴冠なるか? 5年目のミクGTプロジェクト 第27回

スーパーラップに進出ならず

ミクZ4とMirai Z4がまさかの圏外! いきなり波乱のSUGO予選

2012年07月29日 08時30分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 写真●鉄谷康博、原 勝弘、編集部

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SUGO名物・マモノがR8の2台をエジキに!

 今回は1回目からSUGOのマモノが牙を剥き、#30と#99のR8がコースアウトして赤旗中断が2回も出されてしまう。ロスタイム的な時間はあるものの、全車共通で不利になる。ミクZ4のアタックを任された片岡選手は懸命にベストタイムを狙うが、「1'23.656」にとどまる。この23秒台が激戦区で22秒台に入れば10位以内のチャンスはあったが、驚異のスピードを見せたエヴァ紫電が「1'22.162」というSUGOのコースレコードをも更新して見事にトップに立った。セパンで独走態勢で優勝したハンコックポルシェも苦手なSUGOを克服したとばかりに「1'22.588」で2位になった。

 リアのセッティングを変えたMirai Z4は番場選手がアタック。迷いのない会心の走りを見せ「1'23.665」と片岡選手に迫るも、それ以上のタイムが出せないまま予選は終了してしまった。プリウス、新顔のCR-Z、GT-R、紫電がスーパーラップに残る実力を見せ、SUGOに限ってはFIAもJAFもほぼ同等のポテンシャルのようだ。

 スーパーラップではハンコックポルシェの影山選手が「1'22.138」というスピードで2戦連続ポールポジションを勝ち取った。10台中、7台が22秒台であり、予選で上位争いをするには少なくとも22秒台に入れないといけないだろう。決勝はクリアラップをずっと走れるわけではないため、一発の速さよりはレースの駆け引きとミスのなさが大きく影響する。

 予選後、谷口選手と片岡選手に2012年モデルで何か変わったかと聞いてみると、片岡選手は「いまのところは正直あまり変わってない気がする」と答え、谷口選手は「2011年よりは良くなっているのかもしれないけど、それ以上にライバルたちの性能調整の緩和が効いている」とのこと。さらに「後ろから抜くレースはできないから、決勝では今までどおり、しぶといレースをする」と付け加えた。

 また、予選1回目でタイムが伸びなかった原因について、片岡選手は「もともと今年の流れからして、SUGOで10位はギリギリのラインではありました。BOP(性能調整)の30kgも入って、さらにタイムが均衡していた。あとコンマ何秒で10番手にいけたかどうかっていう感じで。赤旗中断の影響はほぼありません。タイヤ選択はちょっと合ってなかった部分もあったんですが、それは明日を見越してのこともあるので。ただ、このクルマは燃費もいいし、タイヤへの攻撃性も強くないのでいつものように、15番手からですが少しでも上にいけるように気持ちを切り替えて頑張ります!」と前向きだ。

いぶし銀の異名を取る片岡選手の走りなら、きっとSUGOのマモノには屈しないはず!

 Mirai Z4について番場選手は「順位はイマイチですけど、そんなに悲観してはいません。もともと予選一発というよりは決勝でコンスタントに行こうという作戦でスタートしました。練習走行で2種類のタイヤを試したんですけど、リアのグリップが足らなくて。そこは僕と佐々木選手でセットアップして、予選に臨みました。アタックはほぼノーミスで行けたと思います。ボーダーラインは22秒から23秒台だと思ってましたが、まさにその通りで。僕がアタックしたときに路面温度が上がったのもあって、当初予定していた23秒台前半が出せませんでした。赤旗はみんな同条件ですからね。タイヤが、というよりクルマにトータル的なスピードが足らないと思いましたね。でも佐々木選手もタイムがあがってるし、今シーズン一番流れが来てると思うので決勝は楽しみにしていてください」と心強いコメントをくれた。

右京監督と入念なミーティングを重ねる番場選手。もう悪い流れは断ち切った! これからMirai Z4の逆襲だ!

 佐々木選手は「ペナルティーの消化もあったので、あまりクルマには乗れていないんですけど、最低でも10位以内、できればもっと上でゴールしたいけど、周りと比較すると厳しい気もしますね。クルマ自体はよくなっているんですけど。ほかのチームはソフトタイヤだと思うんですよね。だから決勝はどうなってくるか、そこが勝負かな。あとは今までクラッシュとかドライブスルーとかあったので、まずはミスなく走りきりたいです。谷口さんたちじゃないですけど、そうすれば良い順位も見えてくると思うので」とMirai Z4の分析をしつつ意気込みを語った。

地元で負けられない! と闘志を燃やす岩手のスター・ササキングこと佐々木選手

キッズウォーク中にサプライズで佐々木選手の誕生日を祝った。ロウソクを取ってあげたり、背後に回ったりと、谷口選手の顔から企みがこぼれている(笑)

 では、大橋監督はどう考えているのか? 「SUGOで予選で良い位置につけて表彰台を狙うとか、クルマの性質上それは考えられません。なので、少しでも上に行こうという作戦ですね。タイヤもミクZ4とMirai Z4で違うコンパウンドを履いてみたんですが、結果変わらなかった。数字だけ見るとMirai Z4はなかなかやるじゃん、って感じなんですけど、2人にはもうちょっと頑張ってほしいかな。明日は柔らかめのタイヤでスタートなので最初は前に行けると思うんですよ。ミクZ4に関しては2012年モデルになったからといって、いきなりドカンと速くなっているわけではありません。すべてのマシンが均一の条件だったら、ドライバーのぶんミクZ4が速いと思いますけどね。だからバランスが良くなったというのかな」とのこと。ドライバーへの依存度が大きくなったのかもしれない。

さすがにミクZ4でも苦戦は免れないと、大橋監督。乾坤一擲の作戦、楽しみにしてます!

 最後に谷口選手に気になる質問をぶつけてみた。

もしかしてタイヤ無交換作戦はありまえすか?
谷口選手「いや、この路面温度と路面状況を考えたら無理でしょ」

神様仏様谷口様! 前人未踏の2連覇に弾みをつけるべく、頼みます! ちなみにこれはキッズウォーク終了後に、被災地の子供たちを招待して同乗走行するという企画のひとコマ

 しかし、谷口選手がこのまま引き下がるわけがない。きっと秘策があるに違いない! と期待を込めて決勝は声が枯れるまで応援しよう!

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