2009年のオートポリス戦で正式にGSRへ!
──その韓国レースのあとはついにGSRに正式加入しましたが。
番場 そうです。韓国のレースのあとに星名さんか誰かから「オートポリスでもう一度乗ってくれないか?」とオファーがあったんですよ。僕がミクZ4に乗るということは誰かが外されるというわけで、ちょっとためらいもあったんですけど、オファーをもらったのは純粋にうれしかったし、オートポリスと最終戦もてぎで乗らせてもらうことにしました。2009年は前半は何もなかったのに、後半になったら一気に忙しくなりましたね。2カテゴリーで走ることになるなんて、予想もしてませんでした。
──オートポリスでは完走してさらに初ポイントをチームにもたらしました。
番場 今もそうですけど、オートポリスはあのクルマにとって苦手なんです。このときも予選は一発が出るかもしれないけど、決勝は厳しいと片山エンジニアから言われてて。フロントタイヤへの攻撃性が強かったんです。実際、予選は結構なとこまで行けたんですよね。
──そうですね。11位と、あとちょっとでスーパーラップでした。
番場 何もなかったところからのオファーだったので、ポイントだったり順位だったりという結果が、チームへの恩返しだと思っていました。決勝ではとあるクルマに引っかかってしまって、ストレートでは追いつけるんだけどコーナーで離されるというパターンになってしまい、しかもうまいこと抑えられちゃって。でもそのクルマがピットに入って僕がロングで引っ張ってて、一時期は3位を走ってた気がします。田ヶ原さんもピットを出たあとはきっちり走ってくれて、見事にポイント圏内で帰ってきてくれて。少しでもチームに貢献できたと、うれしかったですね。
──そのときのチームからの評価はいかがでしたか?
番場 僕はまだ普通のチームの感覚で接してたんですが、GSRはスタッフが多いじゃないですか(笑)。だから、まだ誰が誰だかわからなくて。一番喋ってたのは片山エンジニアだったかなあ。片山さんからは「良い仕事をした」と言われましたよ。
──2009年に3回乗ってみて、ミクZ4に対する評価は変わりましたか?
番場 前評判とかに比べたら全然戦えるマシンだと思いましたよ。とくに最終戦のもてぎのときには、かなり戦闘力が上がってました。田ヶ原選手たちがセットアップしてくれ、片山さんたちが寝ずにマシンを作り上げてきてくれたおかげですね。僕が乗ったから速くなったワケではないです。
でも残念ながら、もてぎは3周でリタイアしてしまったので、僕は乗ってないんですよね。これは本当に悔しかった。マシンの手応えを感じてただけに。逆に韓国のレースは絶好調で、デビューこそ2位でしたがその次からは全部優勝してて、チームの社長との約束は果たせたかな。
──番場選手のレース人生を変えたと思われる2009年。振り返ってみるといかがでしょうか?
番場 2009年の前半は本当に最悪で、人生この先どうしようって思っていました。もう仕事変えないとダメかな、みたいに。しかし、GSRと出会ったことで大きく変わりましたね。そのあとに、韓国からオファーが来ましたし、ポッカ(鈴鹿)の前と後でそれまでの流れがガラっと変わったんですよ。そんな忘れられない年でしたね。
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