「かなフォント」で文書に味を出す
本製品では、従来の和文フォントと欧文フォントに加えて「かなフォント」の設定にも対応している。これにより、市販のかな専用フォントを文書スタイルに設定することができ、よりこだわった文書の表現が可能となっている。
また、小説や随筆を執筆する際に便利な原稿用紙スタイルで文書を作成する場合も、マス目の色変更や名入れの設定などに対応。個性を際立たせた書面を作成可能だ。文書を引き立てるイラストや写真が約1000点以上用意されているのもうれしい。
EPUB3.0に対応し手軽に電子書籍を公開
ツールパレットにより利便性が大きく向上した「一太郎2012 承」だが、もう1つの大きな特徴はIDPF(国際電子フォーラム)が定義する電子書籍用の規格「EPUB3.0」をサポートする点が挙げられる。
EPUBとは、パソコンをはじめタブレット端末やスマートフォンなどで、それぞれの画面サイズに合わせて適切にレイアウトが変更される仕組みの規格。最新規格となるEPUB3.0では、フォントや文字サイズ、文字色といった文字飾りのほかに、日本語固有のふりがな(ルビ)や文字結合、縦中横(縦書き時)、段組、脚注(文書末)といったさまざまな設定が可能となっている。
今回、EPUB3.0に対応したことによって、まだまだ壁が高い印象であった個人での電子書籍の出版がグッと現実味を帯びてきたといえるのではないだろうか。なお、作成したEPUB形式のファイルは、電子書籍公開サイト「パブー」で公開が可能。ウェブをはじめ、タブレット端末や電子書籍リーダーなどで閲覧可能となる予定だ。
今度のATOKは新・推測変換エンジンで言葉を導き出す
「一太郎2012 承」のリリースにともない、ATOKも「ATOK 2012 for Windows(以下、ATOK 2012)」としてバージョンアップした。注目したいのが新たに搭載された「AS(Advanced Suggest)エンジン」だ。最近ではモバイル端末で文書を入力する際、いくつか文字を入力しただけで確定したい単語の候補が羅列されるのが一般的だが「ATOK 2012」でも同様の機能が取り入れられた。数文字入力すればATOK側が先回りして、あとに続く単語やフレーズを推測候補を表示。さらに入力を確定した場合にも前文節の文字列に応じた推測候補を提示してくれる。これなら打鍵数も減り、入力もスムーズにできて便利だ。
そのほかATOK関連では、新たに発売された商品や高視聴率のドラマ名など、次々と生まれる新しい話題のキーワードを収集して反映してくれるサービス「ATOKキーワードExpress」も注目だ(2月からサービス開始予定)。これなら旬のキーワードも簡単に入力でき、プライベートでのメールのやり取りのみならず、ビジネス面でも時代のトレンドを盛り込んだ企画書作りなどをサポートしてくれるだろう。