このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

Android端末にも込められた、レノボのこだわりを知る

実はすごく練りこまれている、ThinkPad Tabletのセキュリティー

2011年10月31日 09時00分更新

文● 花茂未来/インサイトイメージ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ポリシーベースで端末を制御

 前ページでは、McAfee Mobile Securityについて紹介したが、複数台のThinkPad Tabletを一括して導入する際には、企業向けのソフト「Absolute Solution」にもThinkPad Tabletは対応しており、タブレット端末の集中管理やアクセス権限の設定、データのリモート消去なども行える。

 統合管理をサポートする機能として追加されたのが「レノボ・デバイス・マネージメント」である。簡単に言うと、管理者が決めたポリシーをネットワークで受信し、そのルールに沿って、アプリケーションや周辺機器類の動作を決められるサービスだ。Android標準のデバイス・ポリシー・マネージメント・サービスをレノボが独自に拡張している。ポリシーはXML形式で書かれており、以下のようなデバイス・サービスの使用可否を制御できる。

  • SDカードスロット
  • USBポート
  • Wi-Fi/Bluetooth
  • カメラ
  • マイク
  • USBデバックポート
  • データローミング
  • 提供元不明のアプリ

 またXML化されたWi-Fiの構成データをサーバーから一気に配布し、各端末に適用するといった管理も可能だ。

PC接続時の動作を設定

接続時に表示される問い合わせ画面。SDカードを挿入していない場合、SDカード内を閲覧するボタンはグレーアウトする

 Wi-Fi構成データは、ThinkPad標準ソフトの「Access Connections」で作ったプロファイルをThinkPad Tablet用に加工して出力できる。この際、電力制御の設定も同時に配布できるので、例えばディスプレイがOFFのときはWi-Fiもオフ、指定されたSSIDに接続しているときはWi-FiをOFFにしない、昼休みやノー残業デーはスケジュールにしたがいWi-FiをOFFにするなど、統一した運用も可能となっている。

「設定」→「無線とネットワーク」の「インポート」からWi-Fi設定を取り込める

 もちろんレノボ・デバイス・マネージメントは、Active Directoryなどとの連携も可能だ。管理者が自分で作成したXMLファイルを直接配布する以外にも、Exchange ServerやLANDeskとの連携も可能である。この際、内部メディア/SDカードの暗号化必須の有無、Active Directory認証必須の有無、パスワードポリシー適用の有無、Wi-Fiアクセスポイントの配布など、Windowsマシン用に取り決めた企業のセキュリティーポリシーがある場合でも、それに柔軟に対応できるようになっている。

「設定」→「無線とネットワーク」を開き、画面右上のメニューを展開。「詳細設定」をタップし、「ワイヤレス拡張設定」を選ぶと、設定可能な項目が一覧表示される

 このようにThinkPad Tabletは、ThinkPadシリーズの堅牢製とデザイン、使いやすさを受け継ぎつつ、Windowsベースの社内ネットワークにも、管理性・セキュリティー性を損なわず導入できる。企業においては、膨大なPCの統合管理も重要項目のひとつ。PCがWindows系で統一されている場合は、他のOSをネットワークに参加させるというのは非常に煩わしいものとなるが、このあたりをしっかりと考えて作っている点はさすがだ。

前へ 1 2 3 次へ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中