このページの本文へ

多面的なEMCのソリューションを一望できる

ビッグデータもDRも任せろ!EMC FORUM 2011の展示から

2011年10月13日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10月12~14日、EMCジャパンは日経BP主催の「ITpro EXPO 2011」内でプライベートイベント「EMC FORUM 2011」を開催した。ストレージ製品はもちろん、ビッグデータやクラウド、セキュリティまで幅広いジャンルの製品やソリューションを備えた展示会場をレポートする。

主役に躍り出るビッグデータ

 2年前からクラウドを大きくテーマに据えたEMC FORUMであったが、今年は「CLOUD MEETS BIG DATA:クラウドとビッグデータの交差点」ということで、昨今注目を集めるビッグデータを1つのトレンドと捉えた。全世界的な爆発的なデータ増大を長らく「デジタルユニバース」と表現してきた同社だが、Hadoopのような分散型データ処理システムの隆盛により、データの保管や保護から活用へという「ビッグデータ」の流行がようやく訪れたという状況だ。

 こうしたビッグデータを扱うための戦略製品が2010年に買収したグリーンプラムの資産をベースにした「Greenplum HD Enterprise Edition」だ。従来、グリーンプラムはPostgreSQLをベースにした高速なデータウェアハウス(DWH)を実現するGreenplum DBを主力製品としていたが、これをビッグデータで扱う非構造化データ向けに拡張した企業向けのHadoopがGreenplum HD EEである。JavaベースのApache HadoopをC言語で書き換え、並列化やロードバランシングなどを推し進めることで、高速な処理を実現したという。

企業向けの高速なHadoop実装である「Greenplum HD EE」

 構造化データを扱うGreenplum DBともシームレスに統合されているのもミソ。たとえば顧客データベースやPOSのような構造化データ、SNSの書き込みやログのような非構造化データを組み合わせた、ビジネスインテリジェントが実現するという。実際、併設されていた東京エレクトロンのブースでは、あらかじめ用意されたK-meansクラスタのライブラリを用いて、顧客データベースとアンケートから今年の売れる製品を予想するといったデモが行なわれていた。また、SASとのアライアンスにより、GreenpumとSASを組み合わせたアプライアンスも提供される予定だという。

 ビッグデータのエリアには、こうしたGreenplum製品とともに、スケールアウトNASのIsillonも展示されており、ハードウェア、ソフトウェア面での製品の充実ぶりがアピールされた。

DataDomainは磁気テープの置き換えをねらう

 バックアップの分野ではDataDomainやAvamarが快進撃を続けているようだ。3・11以降の震災以降、リモートバックアップに注目が集まっているが、DataDomainでは重複除外によりデータ量を削減でき、効率的なバックアップやアーカイブが行なえる。また、エージェントベースのAvamarもDataDomainと連携し、データ量の削減に効果を発揮する。

 ブースでは、「ジュラシックテープ」や「テープ保管庫の悪夢」、「バックアップトゥザフューチャー」などの有名映画を模したポスターを展示され、磁気テープからの移行や重複除外をベースとした新型バックアップへの移行が訴えられていた。

映画ポスターでD2Dバックアップへの移行を喚起する

 高価なイメージの強いDataDomainだが、今年ラインナップ全体で価格を大幅に改訂したほか、低廉なエントリモデルも用意される予定となっている。今後は、より中小規模のシステムでも導入が進んでいくだろう。

 会場では、RSAのセキュリティ管理ソリューションやSMB向けの新ストレージ「VNXe」、低価格なアイオメガ製品などのEMC製品のほか、21社におよぶパートナーのソリューションも展示されている。10月13日にはEMCジャパン 代表取締役社長 山野 修氏による、特別講演、14日には@ITの三木泉編集長とITホワイトボックスでおなじみの森下千里さんとのスペシャルトークショーが行なわれるという。ストレージベンダーから、より多面的なITベンダーへと脱皮する同社の今を発見できるイベントだ。

■関連サイト

カテゴリートップへ