米ヒューレットパッカード(HP)が8日、家庭用のインクジェットプリンター「HP Photosmart」「ENVY」シリーズの最新機種、4製品を発表した。10月から11月にかけて発売し、予価は199~299ドル程度。
新機能は「スマートフォン連携」と「アプリの定期印刷機能」。スマホやクラウドサービスを使いこなす、先進的なユーザー層にねらいをつける。
スマホ連携機能は、オリジナルの無料アプリを用いる。アプリを起動すると、スマホが無線LAN上経由でプリンターを検出する。プリンターを選ぶと、写真に加え、メールや、PDFやDOC、PPTなどの添付書類、Googleドキュメントで共有されたファイルなどを直接プリントアウトできるようになる。プリンターをリモコンのように遠隔操作する機能もつき、スマホ上で印刷のタスク管理もできるようになった。
スマホ連携機能はビジネスでの利用も想定している。対応したプリンターが置いてあるカフェがあれば、スマホに転送されているメールやデータ、あるいはWeb上にあるデータをその場ですぐに出力できる、という仕組みだ。
スマホ連携のベースになっているのは、HPが昨年9月に発表したネットワークプリント技術「ePrint」。iPhone/iPadから写真が無線印刷できる「AirPrint」にも対応していたが、今回からはAndroidやSymbianといった他のモバイルOSにも対応した。さらに写真以外もプリントできるようになったことで、使い道が広がっている。
定期印刷機能では、ニュースなどの定期的に配信される記事を購読するような形で定期的にプリントアウトできる(スケジュールドデリバリー)。
HPでは昨秋から「Print App」という形で、プリンターのタッチスクリーン上で操作できるアプリを100種類ほど独自配信している。クーポンが印刷できる「ぐるなび」アプリや、ニュース記事が読める「日経BPニュース」アプリが配信されてきた。今後はそういったアプリに出力のスケジュールを設定し、配信とタイミングをあわせて定期的に印刷できるようにする。機能はまず海外アプリから対応し、 日本でも順次対応していく予定。
定期購読にはレシピや漫画などのコンテンツも想定している。たとえて言うならRSSフィードをそのままプリントアウトするようなイメージで、新聞や雑誌などから欲しいところだけを選んで購読するというライフスタイルを提案している。
発表された機種は、HP Photosmartシリーズが「7510」「6510」「5510」の3機種。予価は199ドル、149ドル、99ドルの順。いずれも上記の新機能に対応し、従来の機種より省スペース化した。最上位機種「7510」のタッチスクリーンは4.33型。ディスプレー部の見た目はスマートフォンを横にしたような形で、プリントに使えるアプリはスワイプ操作もできるようになっている。
デザインが美しいENVYシリーズ最新機種「110」は、予価299ドルで10月に発売予定。新しいカラーはホワイトだ。タッチスクリーンは3.45型。ENVYは日本人、特にアップル系ユーザーに人気というシリーズだ。日本市場には大きな期待をかけているという。