PSPユーザーなら要注目のズーム機能搭載
マグレックス「MG1000-N」
PSP専用となるマグレックスのMG1000-N。PSPとの接続は付属の専用ケーブルを使用して行なう。この接続端子部分にズーム用のボタンがついており、ボタンを押すごとにズームのオン/オフが切り替わる。このほか、本体部には720p出力と1080p出力の切り替えボタンもついている。
基本的にはHDMI出力なので、テレビとは(映像・音声ともに)HDMIケーブル1本で接続OKだが、ステレオミニプラグのアナログ音声出力もついているので、ヘッドホンなどを接続して使うこともできる。
まずはSD画像を出力して表示してみた。出力解像度は1080pとしているが、少々解像度がソフトな印象になる。色乗りは豊かで赤色の原色なども鮮やかに再現される。
動きの激しい滝の映像になると、圧縮ノイズが目立ちがちになる。これは元々の映像素材に見られる、いわゆるMPEGノイズだが、それはそのまま表示されており、ノイズリダクション等の処理は行われないようだ。この点はほかのアップコンバーターもほぼ同様となっている。
このほか、ほかのアップコンバーターと比べると画質調整等の機能などはない。ややソフトな映像になるものの、色再現等に不自然さはないので、簡単に使いたいのならば、問題はほとんどないだろう。
続いてPSP用のゲームをプレイしてみた。ズーム機能はやはり有効でPSPのゲーム画面がズーム表示できるのは魅力。映像はズームのためかなりソフトにはなるが、文字表示が読めないなど、プレイに支障の出るレベルではない。
ただし、正直なところ遅延は大きめだ。テスト用に筆者がよくプレイするリズムゲームを使い、最近ようやくクリアできるくらいの曲をプレイしてみたが、何度か試しても途中で終了してしまった。RPGなどならばまったく問題ないものの、シビアな操作を要求されるゲームは少々厳しい印象だ。
もうひとつの点として、音質の問題がある。音質は高域が少々きつく耳障りに感じることもある。低音も少々伸びが足りず、不明瞭になるため、リズムゲームでリズムに合わせてタイミングを取るのも難しくなる。ステレオ出力を使ってヘッドホンで聴くと音質は十分なレベルに改善されるのだが、映像だけが遅延するようで、やはりプレイには支障が出る。
PSP画面をズームできるなど
使いやすさは高評価
画質・音質は少々物足りない部分もあるが、手軽に使えて、PSPの画面をズームで楽しめる点は魅力だ。余談になるが、筆者も発売メーカーの異なるほぼ同様の製品を半年ほど前に手に入れているが、微細な点が筆者のものとは異なっている。ボディーや付属品などはほぼ同様なのだが、720p/1080p出力の切り替えが追加されている点が進化点。
また、映像は筆者の所有品の方は落差が大きく、青色だけがにじむような“クロマディレイ”が発生しており、ステレオ出力を使うとその現象がさらにひどくなるといった難点が多かった。
想像するに、発売メーカーこそ異なるものの、製造しているメーカーは同じであるための違いだと思われるが、発売メーカーによって画質・音質にも違いがある点は製品を選ぶときに注意したい。
おそらく、今回紹介したマグレックスのものは発売が比較的最近ということもあり、機能向上を含め、画質・音質にも手が加わった改良品と考えていいだろう。リズムゲームなどで使いにくいのは残念だが、一般的なゲームならばほとんど支障なくプレイできるし、筆者のように携帯ゲームの画面が小さくてプレイしづらい!! という人にはありがたいアイテムだ。
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