【Interop Tokyo 2011】日立電線、ブロケード、ジュニパーなどが製品展示
キーワードはファブリック!データセンタースイッチ総揃え
2011年06月09日 10時00分更新
Interopの展示会上でのメインは、やはり最新スイッチやルーターなどを展示するネットワーク機器のベンダーのブースだ。昨年に引き続き、今年もデータセンター向けのスイッチが主力兵器として投入されていた。各社の製品を追う。
BoxCoreでファブリック化?日立電線のApresia
Interopの常連となっている日立電線は、「SKYクラウド」をテーマに今年も水色筐体のスイッチ「Apresia」をブース全体で展開していた。今年の目玉は、BoxCoreを拡張することで、最大40Tbpsまでのスケールアウトを可能にした「BoxCore Fabric System」のデモンストレーションだ。BoxCoreは汎用インターフェイスでボックス型スイッチ間を接続し、シャーシ型スイッチのような堅牢性や拡張性を実現する技術。同社が以前から手掛けていたものだが、よく考えてみれば、今でいうところの「データセンターファブリック」に発想は近い。
BoxCore Fabric Systemでは、シャーシ型スイッチのファブリックをL2ネットワークで展開したようなイメージで、コントローラーにあたる帯域制御スイッチとポートを増設するラインカードのあたるスイッチで構成される。性能とポート数をリニアに拡張できるスケールアウト性が売りとなっている。40GbEを用いたネットワークにイクシア製の装置でトラフィックを流し、低遅延や高速切り替え、消費電力を測定するという、きわめて実用的なデモ環境を展示していた。
階層型のネットワークから、フラットなL2ネットワークへと形を変えるデータセンターネットワークのトレンドは、L2主導で進めてきた同社が描いてきた姿に近い。40GbEの実用化で、いよいよデータセンターでの有効な選択肢として浮上してきたようだ。
その他、仮想IPを用いて最大32台のスイッチを統合する「Virtual BoxCore」のデモも行なわれていた。長距離でのBoxCore化も可能ということで、災害対策で遠距離サイト間でのネットワーク統合に威力を発揮しそうだ。
導入実績をアピールする「VDX 6720」
ブロケード・コミュニケーション・システムズは、ここ半年注力してきたイーサーネットファブリックの主力製品「Brocade VDX 6720」のデモを行なっていた。FCoEをサポートする10GbEスイッチのBrocade VDX 6720は、もとよりブロケードが強みを持つFC SANのソフトウェアを全面的に取り入れ、堅牢で高速なファブリックをEthernetで実現する。
デモにおいては、IBMのBladeCenter用のFCoEモジュールやCNA、ネットアップ、デル、NEC、富士通などのストレージを用意し、ストレージやサーバーを高速なL2ネットワークで接続したファブリックを披露した。他社より先んじて製品を展開したことで、アイネットやさくらインターネットなどでのクラウド基盤での導入もいち早く発表され、好調な様子だ。
QFabricの片鱗「QFX3500」あらわる
ジュニパーネットワークスのブースでは、同社のデータセンターファブリック製品である「QFabric」シリーズの「QFX3500」が展示されていた。QFabricは日本では2月に発表された新しいデータセンタースイッチ製品で、複数のスイッチを論理的に1つに束ねるバーチャルシャーシの後継ともいえる。シャーシ型スイッチのシャーシにあたるQF/Interconnectという制御装置、I/OモジュールにあたるQF/Node、そして管理を行なうQF/Directorという役割の異なる装置でフルメッシュのネットワークを構成するのが特徴となる。
今回展示されたQFX3500はQF/Nodeにあたるスイッチで、単体では10/40GbE対応のL2/L3スイッチとして動作する。QF/Interconnectには最大128台のQF/Nodeをつなぐことができ、スケールアウト性の高いデータセンターファブリックを実現する。ただ、QF/Interconnectは第3四半期の出荷予定で、QFabric自体の実力を目の当たりにするのはもう少し先のようだ。
ジュニパーのブースでは、仮想マシンやスマートフォンやセキュリティ対策製品、多機能化を続けるエッジルーター「MX80」、セキュアルーター「SRX1400」、リモートアクセスゲートウェイ「MAG6611」などの製品が所狭しと並んでいる。