実機に触れてみると、まず驚くのはその薄さだ。17.4mmの厚さは史上最薄というほどではないにせよ、パソコンとしてはかなりの薄さだ。タブレット状態で手に持っても違和感はない。タブレット状態では表面にボタンの類はなく、タッチ操作のみで操作する。
キーボードは縦6列の87キーで、配列は特に変わったところはない。キーピッチは約16.2mmとさすがに狭いが、10.1型ディスプレー搭載ならば、サイズ的にはこんなものだろう。特殊な点としては、スペースキーの右にポインティングデバイスとなる「指先ポインター」と、右マウスボタンが配置されていることが挙げられる。ポインターは赤外線式で、左マウスボタンも兼ねている。
タブレット状態のディスプレー部分を、後ろ側をつまんで斜め上にずらすように動かすと、アームが起き上がってディスプレー部分とキーボード部分が離れる。ディスプレー部を開いた状態でロックするような仕組みはないが、キーボード上側にある溝に、ディスプレーの下端がはまるようになっている。無理に衝撃を与えるのは論外だろうが、アームとディスプレーの接続は意外にしっかりしていて、それほど華奢ではなさそうだ。
キーボード部分には、右側にUSBポートなどが、左側にはフルサイズのHDMI出力端子とダイレクト・メモリースロット(SD/SDHCなどに対応)が用意されている。このサイズでフルサイズのHDMI出力を用意した点は評価したい。プロジェクターや大画面テレビへの接続も容易だ。なお、リチウムポリマー充電池は内蔵式なので取り外せない。
メモリーが1GBであり、CPUが1.50GHz駆動のシングルコアAtom「Atom Z670」であるなど、けっしてWindowsパソコンとして速いわけではないが、独特のデザインの魅力と薄さは、持ち歩くデジタルガジェットとしての魅力に溢れている。特に、この薄さで約6時間のバッテリー駆動時間を確保している点には驚かされる。
予想実売価格は8万円前後と、ネットブックとしてはやや高めだが、コンシューマーにも魅力的なスレートPCの登場と言えよう。