What's good?
PerlにもRubyにも、プログラミング言語にはそれぞれに「よい点」があるものです。Pythonにももちろんあります。読者のみなさんにPython使いたいと思ってもらえないと意味がないので、まずはPythonの長所を紹介しましょう。
Pythonのいいところ1:可読性(保守性)
Pythonは、自分が昔書いたコードや、他人が書いたコードの挙動を、ソースを見て把握したり、手を加えたりする場合のハードルが低いです。Pythonではブロックをインデントで表す記法があり、“{”、“}”の位置が書く人の趣味でまちまちになる言語と比べると、誰が書いても同じになりやすいのです。
また、PythonにはPerlとは真逆の「やりかたはひとつ」というポリシーがあり、ある処理をコードとして表現すると、ロジックに個性は出ても、記法に個性があまり出ない(多少は出ますけどね)。可読性(保守性)の高さは、プロダクションとしてコードを書くとき、非常に大きな利点になります。
Pythonのいいところ2:実績
Pythonには日本での実績がほとんどないとはいえ、ワールドワイドではGoogleやFacebookで使われているという、これ以上ない実績があります。Pythonistaの中には「日本でも実績たくさんあるよ、何いってんだ」という意見があるかもしれませんが、そういう発想がPython普及のチャンスを減じている可能性があります。
Perlを普及させた要因を考えてみましょう。「livedoorやmixi、モバゲーで使われている」という実績は、Perlの普及に確実に影響があったはずです。また、SledgeやMobaSiF、KVSのインターフェイス実装がたくさん出てきて、「あのくらい巨大になっても使えるんだ」という安心感を生み出しました。
FacebookがPython製なのも、実はすごいメリットです。Facebookはいまや単一のサイトとしては世界一のUUを誇りますので、「Pythonにスケーラビリティはあるのか」という議論は不要(インフラは別です)といってもいいでしょう。また、ノンブロッキングWebサーバーである「Tornado」のような成果物もあります。さらに、Googleのオフィシャル言語ですので、Google App EngineでもPython実装が標準だったり、Google CodesにもPythonの成果物がたくさん増えたりしています。
実績が豊富ということは、将来性が高いともいえます。たとえばソーシャルアプリはこの不況でも元気な数少ない分野ですが、ソーシャルアプリに取り組む日本の企業でPythonを使う事例が増えています。元気な業界が活用している言語は、それだけ将来性があると考えていいでしょう。
Pythonのいいところ3:実行速度
もともとPythonを使いはじめた理由のひとつが、ベンチマークの結果でした。もちろんCやJavaより遅いですが、PythonはLL言語としては速い方です。
もちろん他にもメリットはたくさんあると思いますが、これだけでも十分Pythonに手を出してみる価値があると思います。