このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

テレビからPCまで! 注目の3D機器を体験しまくる!! 第4回

ナニができるの!? 夏の3Dパソコンを総チェック

2010年07月09日 15時00分更新

文● シバタススム

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2010年は家電では「3D元年」と呼ばれているが、この波はPCも同様である。今年の夏モデルでは、東芝、NEC、富士通、ASUSTeKといったPCメーカーから続々と3D対応モデルが発表された。既に3D対応はPCに搭載される付加機能の1つとして、その座を確立しつつあると言っても過言ではない。

 では、今回発表された3D対応モデルの使い心地はどうなのだろうか?  何をどれだけ3Dを立体的に見ることができるのだろうか? 早速試してみることにした。


3Dの表示方式は2つに分かれる

「偏光フィルター方式」の場合、右目用、左目用の映像がコマごとに切り替わるのではなく、同一のコマの中に右眼用、左目用の絵が1ラインごとに交互に配置される

「偏光フィルター方式」の場合、右目用、左目用の映像がコマごとに切り替わるのではなく、同一のコマの中に右眼用、左目用の絵が1ラインごとに交互に配置される

 PCの場合、3Dの表示方式は大きく2つに分類される。1つ目は、右目用と左目用の画像を1ラインずつ交互に表示する「偏光フィルター方式」。偏光フィルター搭載のメガネにより、左右の目にフィルターで分離した右目用の画像と左目用の画像をそれぞれ見せることで、実物の景色のように脳が立体的に映像を認識してくれる。

 2つ目は、これまでの3Dテレビの回で紹介してきた「アクティブシャッター方式」。1つの画面で右目用と左目用の映像を1秒間に120コマで交互に切り替える(テレビでは240コマ/秒での駆動が多かったが)。画面の切り替えと連動するシャッター付きメガネをかけることで、左右の目に別々の映像を見せて立体的に認識させる。

 これまでに発表された3D PCは、偏光フィルター方式とアクティブシャッター方式の両方がラインナップされている。それぞれのメーカーの機種で分類すると以下のようになる。


偏光フィルター方式

左が富士通「FMV ESPRIMO FH550/3AM」、右がNEC「VN790/BS」。偏光フィルター方式はメーカーによって採用しているソフトも、使える3D機能も異なっているため、メーカーの独自色が栄えるのが特徴だ


アクティブシャッター方式

左が東芝「TX/98MBL」、右がASUSTeK「G51Jx 3D」。アクティブシャッター方式はどちらの機種もNVIDIAの「3D Vision」を利用している。このため、メーカー独自というよりも、3D Visionをプリインストールした機種と言った方がいいだろう。なお、どちらの機種も3D表示に対応するために、120Hz表示可能な液晶ディスプレーを搭載している

 この2のつ方式には、利点と欠点があるため、現段階ではどちらが良いとは言い難いが、どちらも3Dを表示する有効な手段である。PCの視点で見た場合の利点と欠点は以下の通りだ。

左からNEC、富士通、東芝/ASUSの3Dメガネ。NECと富士通は偏光フィルター方式で、メガネはプラスティック製のフレームに偏光フィルターを貼っただけの簡易な構造。一方の東芝/ASUSは同じアクティブシャッター方式(NVIDIA の3D Vision)を採用しているため、メガネは同じものが添付されている。高速でシャッターを動かす必要があるため、USBからの充電が必要だ

左からNEC、富士通、東芝/ASUSTeKの3Dメガネ。NECと富士通は偏光フィルター方式で、メガネはプラスティック製のフレームに偏光フィルターを貼っただけの簡易な構造。一方の東芝/ASUSは同じアクティブシャッター方式(NVIDIA の3D Vision)を採用しているため、メガネは同じものが添付されている。高速でシャッターを動かす必要があるため、USBからの充電が必要だ


偏光フィルター方式の利点/欠点

  • :3Dメガネに偏光フィルターが貼られただけの簡易な構造のため、メガネの重量が軽い。電源も不要
  • :ちらつきがなく、目の負担が少ない
  • :フルスクリーン、ウィンドウモード、どちらでも3Dを見られる
  • :YouTubeなどのネット動画の3D画像に対応している
  • ×:液晶の走査線が交互に右目用と左目用に分割されるため、解像度が半分になる
  • ×:3Dで見られる場所が正面に限定される(角度がつくと、3Dとして見られない)
  • ×:映像にくし型のノイズが出る場合がある

アクティブシャッター方式の利点/欠点

  • :偏光フィルター方式に比べ、解像度を落とすことなく細かい描写ができる
  • :くし型ノイズが起こらないため、画面の隅々までしっかりと描画され3Dの効果が得られる
  • :左右/上下と3Dで見られる視野角が広い
  • ×:3Dメガネがシャッター動作するため、電源が必要となり充電をしなければならない
  • ×:蛍光灯下では地域によって50Hzと60Hzの設定を合わせないと、ちらつく場合がある
  • ×:フルスクリーンモードで動作させる必要がある

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中