エコなどの観点で、国内でも需要が高まりつつある太陽電池。家庭用太陽電池の領域で強みのある三洋電機は、世界最高クラスの発電性能をもつ太陽電池を武器に事業拡大を図る。
6月15日、三洋電機は太陽電池の国内需要に対応するため、二色の浜工場(大阪府貝塚市)、滋賀事業所(滋賀県大津市)の「HIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)太陽電池モジュール」生産能力を増強すると発表した。
二色の浜工場は35MW(メガワット)の生産能力を工程改善により40MWへ、滋賀工場は100MWの生産能力を設備装置の増設により250MWへと増強する。同社では、HIT太陽電池セルは二色の浜工場(大阪府貝塚市)、島根三洋電機株式会社(島根県雲南市)の2拠点で生産し、国内2拠点(二色の浜工場、滋賀工場)、海外2拠点(ハンガリー工場、メキシコ・モンテレー工場)にてモジュール化をしている。今回、モジュール化工場の国内2拠点を増強することで、増加した国内需要に対応していくとしている。
三洋電機執行役員ソーラー事業部長の前田哲宏氏は、市場は今後も家庭・工場・発電所などで需要は拡大するとした。一方、導入に当たっては補助金政策に頼る面もあり、今後は補助金などがなくても競争できる体力をつけていかなくてはいけない語った。
今秋より販売開始されるHIT太陽電池のNシリーズも展示された。ラインナップは225Wの「HIT-N225SE10」および230Wの「HIT-N230SE10」の2モデル。来年発売予定のHDシリーズは、245Wの「HIT-H245E01」および250Wの「HIT-H250E01」が用意される。HIT太陽電池は多結晶シリコン型太陽電池に比べ高温でも高出力を得られるとして、今後も効率を上げる研究開発にあたるとした。