今回取材した“2010 Everland Cosplay Party”は、世界コスプレサミットの代表決定戦の決勝ラウンドのため、普段のコスプレイベントとはちょっと違う雰囲気。そこで、今回の取材で日本語対応スタッフとしてお世話になった、韓国でコスプレイヤーとして活躍しているAKARIさんに韓国のコスプレ事情を聞いてみた。
――韓国のコスプレは、頻繁に開催されているのでしょうか?
AKARIさん(以下、AKARI):コスプレができるイベントだと、同人即売会のなかでコスプレできるコミックワールドが、ソウルとプサンの2ヵ所で年に15回くらい開催しています。コスプレ専門のイベントだと、パフォーマンスが中心のWonder Cosplay Festival(WCF)が年2回くらい行なわれています。
このほか、小さなものですと大学などが開催するものもありますが、年1回行なうかどうかで、定期的に開催されているわけではありません。
――コミックワールドのコスプレもステージパフォーマンスが中心でしょうか?
AKARI:韓国のコスプレイヤーさんはアクションやパフォーマンスを中心に行なう人と、写真撮影を中心に活動する人に分かれています。コミックワールドでは、写真撮影をする人もいれば、ステージパフォーマンスをする人もいます。
――月1回のイベントの以外にもコスプレをすることはあるのでしょうか?
AKARI:ステージパフォーマンスを中心にコスプレをしている人たちは、パフォーマンスチームに所属しているので、集まってパフォーマンスの練習を行なったりしています。
イベントの規模ではありませんが、コスプレ同好会中心の小規模の撮影会は頻繁にあります。撮影会を行う場所は、レンタルスタジオや公園となります。
また、韓国はスタジオレンタルの費用が1時間一人当たり安いところで5000ウォン(約400円)から高いところでも1万ウォン(約800円)と日本に比べて安いため、撮影会とは別に有志で集まって写真を撮る場合もあります。
――韓国のコスプレイヤーさんの衣装について教えてください。
AKARI:5年位前までは自作する人がほとんどでしたが、現在は既製品を購入したりオーダーで業者に作ってもらうことが多くなっています。日本に比べて布の価格が安いので、日本で販売されているものより少し安いと思います。
――衣装の情報は、どうやって手に入れているのでしょうか?
AKARI: 漫画やゲームで直接手に入れるか、インターネットでキャラクターの画像を検索することが多いです。たまには日本のコスプレイヤーさんの写真を参考にしたりもします。
――韓国の一般社会でのコスプレの認知度と受け止められ方は肯定的でしょうか?
AKARI:一般の人からは、やはり不思議なことをしているという目でみられることが多いです。
韓国のイベントでコスプレをしているのは、若い世代が多く、社会人の多くはコスプレから引退するか、イベントに行かずにスタジオでの撮影を中心に活動するようになります。そのため、イベント会場では大人のコスプレイヤーが少ないためにマナーなどが行き届かず、眉をひそめている大人も少なくありません。
マナーや社会とのよりよい関係を作っていくために、文化的な成熟を迎える必要があるといった問題を抱えています。
――最後に、韓国独自のコスプレ文化があれば、教えてください。
AKARI:コスプレというのとは違うんですが、韓国にはドレスカフェというカフェがあります。このカフェは、来店したお客さんが女性はドレス、男性はフォーマルウェアに着替えて記念撮影ができます。コスプレ衣装やロリータ洋服も扱っているところもあり、そのドレスカフェには、コスプレ衣装を持参して撮影することができるので、私も時々使っています。
――ありがとうございました。