共通化が進められたハードウェア
そのスペックもかなり見えてきた
今回もWindows Phone 7のデモが行われたが、2月のときよりも開発が進んだ印象を受ける。デモで見られた画面の一部が違っているからだ。
まずハード面ではソフトウェア開発の負担を軽減し、製品や開発コストを抑えるために、ある程度共通したハードウェアを採用する。2月のMWCでは「共通する」程度の話しか出ていなかったが、今回初めてハードウェアのガイドラインが示された。
発表時には端末メーカーでないクアルコムが立ち上げ時のパートナーとして紹介されていたため、プロセッサにはSnapdragon(内部のCPUコアはScorpion)が採用されるのではという話もあったが、実際にはARM Cortexも含まれることになった。
グラフィックスに関しては、DirectX 9相当のハードウェアアクセラレーションとなっているため、なんらかのGPUの搭載が不可欠と考えられる。その点、Sanpdragonは内部にAMD Z430を搭載している。一方、すでに発売されているポータブルプレイヤーの「Zune HD」でTEGRAが採用されたNVIDIAは、立ち上げパートナーのリストには入っていない。
また画面の解像度としてWVGA(800×480)およびHVGA(480×320)が示された。ただし、別のセッションでは、立ち上げ当初の解像度は1種類のみで、2つ目の解像度はあとから追加されるといった話があり、おそらく今年末に出荷される製品はすべてWVGAを採用すると考えられる。
タッチについては、同時4点以上の検出、物理的なボタンとしては、「もどる」、「メニュー」、「検索」の3つおよび、カメラシャッターが必要とされた。カメラの解像度は、5メガピクセル以上、フラッシュ(おそらくは、携帯電話などに採用されているLEDの補助ライト)が必須とされた。
センサーはアシスト型GPS、加速度センサー、電子コンパス(地磁気センサー)、近接センサーが標準となっている。このあたりは、iPhoneやAndroidなどで完全におなじみのものばかりだ。
マイクロソフトとしては、標準的なハードウェア構成を定め、各社に採用してもらうことで、短期間での製品の導入を考えている。おそらく最初に登場する製品のハードウェアスペックはほぼ横並びとなるだろう。
実際の試作機はLGとサムスンのものが示された。どちらも簡単に紹介した程度で、どの程度の完成度であるのかは不明だが、ハードウェアに関しては、各社ともかなり進めている印象を受けた。共通ハードウェアを導入しているがゆえのメリットと言える。