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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第2回

大量のメールを確実にさばけ メール管理を見直す技

2010年02月16日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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メールデータのバックアップは最優先事項

メールデータは毎日バックアップ

メールデータは毎日バックアップ

 これまでのやり取りがすべて蓄積されているメールデータは、進行中の仕事で扱うデータよりも重要だ。バックアップは万全にしておきたい。Shurikenは自動バックアップ機能があるので、手間をかけずにバックアップできる。また、メールサーバーにデータが残っている間は、いつでも再読み込みできる。そのためバックアップは、メールサーバーを空にする直前にしている。

 筆者は複数のパソコンやデバイスでメールを受信しているので、サーバーからメールが自動削除されないように設定している。そのため、サーバーがパンクする前に、受信メールをクリアする必要がある。今は、大容量のサーバーと契約しているので、1日や2日では一杯にならないが、パンクするとメールを受信できなくなる大トラブルとなってしまう。1週間に1度、もしくは2000通前後を受信したタイミングでメインのPCで新着をチェックし、バックアップした後にサーバーをクリアしている。

 Windows付属のメールソフトだと、ここでメールサーバーを管理するソフトが別途必要になるが、Shurikenは受信済みのメールをサーバーから削除できる。サーバー上のメール一覧を表示したり、そこから特定のメールだけを削除することも可能。このくらいは、すべてのメールソフトでできるようになってほしいものだ。

任意のメールを選択して受信や削除

Shurikenではサーバー上のメール一覧を受信し、任意のメールを選択して受信や削除できる

 なおこの方法だと、メインのパソコンでは確実にすべてのメールを受信できるが、モバイルノートなどではヌケが発生してしまうことがある。以前はノートも同時に受信してからサーバーをクリアしていたが、最近は無視している。もし、偶然受信できなかったメールが必要なときは、ウェブメールで引き出せるようにしたためだ。


Gmailにすべてのメールデータを取り込んでおく

Gmailでほかのメールアドレス宛のメールを受信

Gmailでほかのメールアドレス宛のメールを受信

 もうひとつのバックアップとして、「Gmail」にメインのメールアカウントを登録し、読み込むようにしている。7.4GBもの容量が無料で使えるのは非常にうれしい。もしこの容量を使い切ったら、受信設定を止めて別アカウントを取得すればいい(有料で容量追加も可能。20GBで年間5ドル、1TBなら年間256ドル)。自動受信の間隔は20~30分ほどなので、リアルタイムの受信チェックには向いていないが、過去のメールをアーカイブしておくのにはぴったりだ。

 Gmailを普通のメールソフトで受信することもできるので、メインで利用することも検討したが、「~@gmail.com」のようなフリーメールを、ビジネスで使うのはいささかカッコ悪い。そこで、バックアップ&モバイル用として活用することにしている。

 Gmailは検索機能が速いのも見逃せない。Shurikenで10万通を越すメールからキーワード検索しようとすると、ハイエンドのパソコンでも何分もかかってしまう。そんな時はブラウザーでGmailにログインし、そこで検索するようにしている。

 高速検索をうたうMozillaの「Thunderbird 3」は、7万7000通のメールを10秒で全文検索できると言う。フリーソフトなので、機能の使い勝手などを検証中だ。

大幅に機能強化された「Thunderbird 3」

大幅に機能強化された「Thunderbird 3」


添付ファイル忘れを防げるなら
お金をかけてもいい!

 添付ファイルを忘れると、大変なトラブルになることもある。徹夜明けで原稿を送ったつもりで添付せず、そのまま寝てしまったらなおさらだ。Shurikenは本文内に「添付ファイル」といった言葉が使われていると、メールの送信時に添付忘れを警告してくれる機能を備えている。

 この添付ファイル忘れ確認機能をあてにしているせいでもあるが、1日1回は添付忘れを防いでくれる。添付を忘れて外出先でネットカフェに飛び込んだり、会社や自宅に急遽戻るはめになることを考えれば、少々のコストは納得できる。Thunderbird 3も同様の機能を備えたようなので、重宝している人が多いのだろう。

添付ファイルの警告

添付ファイルが付いていそうな文面の時は警告してくれる

 膨大な数のメールを安定して使える設計や、データを暗号化するセキュリティー機能なども、Shurikenを使い続けている理由だ。しかし、フリーソフトの進化も目を見張るものがある。お金を払うからには、常に先進の機能を搭載してほしいもの。特に検索の高速化は早急に期待したい。

 以上が筆者のメール運用方法である。ポイントは、迷惑メール対策はパソコン側で行なうこと、Gmailにもデータを読み込み、バックアップは万全に行なうこと。Shurikenを使えば迷惑メールの除去が高精度にできるし、添付ファイル忘れもなくなる。とはいえ、便利なメールソフトやサービスはほかにもある。メールはビジネスの基本ツール。自分の環境に合わせたメール運用方法を確立しよう。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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