GIGABYTE「GA-P55A-UD3R」

USBバスパワーが3倍凄い! 噂のマザーで耐久テスト!

文●藤山 哲人

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GIGABYTE独自の3倍凄いUSBを実感!

 USB 2.0は1ポートあたり500mAまでというバスパワーの制限があるが、USB 3.0では1ポートあたり900mAまで拡大された。
 とはいえ、世の中はUSBを充電器や5Vの電源として利用するアイテムが氾濫し、中にはUSBコネクタが1本しかないのに、1A近くも電力を喰うカップウォーマー&クーラーなんてものもある。しかもパッケージには500mAしか消費しないと……。おいお~い!

こちらの製品は、規格をブっちぎった1.5Aと明記された潔いパッケージ装置

 おそらく読者のパソコンにも、扇風機やLEDライト、携帯電話やPSPの充電器がUSBに差さっているんじゃないだろうか?
 USBの規格書(英語で300ページぐらい。勇者はこのページからPDFをダウンロードして読むといい!)を読んでみると、この制限というのはUSBデバイスがホストコントローラに対して「私はキーボードなので電力そんなにいりません!100mAくださいね☆」とか「おいらはチョット電力を食うUSB接続のハードディスク!だから500mAクレ!」という申告からきているようだ。

こちらは650ページあるUSB 2.0の仕様書。170ページあたりからバスパワーについての説明がある

こちらは482ページあるUSB 3.0の仕様書。チャプター11-4(430ページ)あたりに、デバイスがUSBホストコントローラに対して必要な電流をリクエストするシークエンスが説明されている

 USB面白グッズは、ただ単純に電源を取っているだけなので、USBホストコントローラは「なんかつながってるけど、電源欲しいって言ってこない変なデバイス」としてしか見えない。つまりコントローラの電源管理をまったく無視したデバイスなのだ。それもあって1Aも食うUSBカップウォーマ&クーラーなんかも、とりあえず動いたりする。
 USB 2.0/3.0の規格書には、過電流時の回路保護について「プリセット値では総電流の上限は5.0Aまで。これを越えたらホストコントローラがつながってるUSB機器の電流を絞ったり遮断するよ」とある。しかしあくまで「プリセット値」なので、メーカーが上限を何Aにしているかは、ホストコントローラ次第というわけだ。なので派手にUSB面白グッズで武装したりすると、コネクタなどが異常発熱する危険性も秘めていることを忘れずに!

432ページにある過電流の回路保護についての説明。要約すると「プリセット値では総電流の上限は5.0Aまで。これを越えたらホストコントローラがつながってるUSB機器の電流を絞ったり遮断するよ」という意味だ。以上、「Universal Serial Bus 3.0 Specification」より抜粋

 このように、USBの電源不足という状況を打破したのがGIGABYTE独自の3倍バスパワーだ。パッケージだけじゃなく、BIOSの起動画面でも大きく描かれた「333」。1つはUSB 3.0対応の意味で、もうひとつはSATA 3.0対応。そしてラストの3は、USBのバスパワーが他社の3倍という意味だ!

 こっ!これは我々ASCII.jpに突っ込んでクレ!

 と言わんばかりのセールスポイント!
 つまり通常のUSB 2.0は、1ポートあたり500mAという制限があるが、このマザーボードなら3倍の1500mAまでOK。USB 3.0にいたっては900mAの3倍の2700mAまで電源を確保できるというわけだ。ということは、USB 2.0端子が12本あるので18A。これにUSB 3.0端子の2本を加えると、23.4Aまで取れる! なんだか自宅にあるブレーカーレベルの電流だ。ワット数に換算すると117W。今度はパワーユニットが不安定になりかねない!
 とはいえホストコントローラの最大電流の上限が何Aになっているのか分からないので、とりあえず規格書でうたっているプリセット値の5A付近まで試してみよう。さすがに23.4Aまで流す勇気は俺にはない!
 まずは手元にあったヘンテコUSBグッズを総動員して接続してみた。全部接続してみる前に、装置にどれだけの電流が流れているかをチェックしてみよう!

今回制作したUSB電源HUB

 コイツはUSBハブじゃない!単なるUSB3連ポート×4のタコ足配線グッズだ。装置の途中に電流計を挟み込めるようになっている。なお通電確認用のLEDは10mA喰うので、測定値から引いた値が装置に流れている電流となる。今回は面倒なので誤差扱いってことで……。

(次ページへ続く)

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